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部落問題資料室
NEWS & 主張
選挙妨害に部落差別を利用
高松の公衆トイレに落書し
「解放新聞」(2007.06.25-2324)
 【香川支局】「選挙(県議会多度津選挙)妨害のために部落差別を悪用したとみられる差別落書事件は県内では初めて。(実行者は)きわめて差別意識が強く、悪質な人物である」と岡田健悟・県連委員長が強い口調で怒りをあらわにした。3月下旬に高松市内公共2施設で「県職員60歳」と名乗る連続差別落書事件(別項)をめぐる合同会議を5月1日、香川部落解放・人権啓発センターでひらき、県連をはじめ関係行政(県、高松市、丸亀市、善通寺市、多度津町)、落書で指名された当事者ら20人が参加し、事件の報告と今後のとりくみを協議した。

賤称語を使い

 合同会議では、参加者の分析の結果、2施設への落書は、①同一人物であること②書かれている個称はすべて実在すること③賤称語を使った差別落書④部落差別を悪用し、選挙妨害を意図していること、との判断にいたり、また実行者は、達筆で、部落問題と多度津町の内実、選挙に精通している人物と判断した。
 指名された当事者のAさんは、「文面(内容)はすべて事実無根であり、きわめて遺憾である」と表明した。県連の岡田委員長は、「選挙妨害のために部落差別を悪用した差別事件。きわめて差別意識が強く、悪質な人物である」とし、「事業法失効は同和行政の終結ではない。部落差別に怒りをもったとりくみを各級機関でおこなうことが大事」と強く言及した。
 また会議では、落書された関係行政(県、高松市)から事件とその後の対応が報告された。とくに県は、本件の実行者とされる人物に「県職員 60歳」と書かれていたことをふまえ、今後、厳正な対応をしていくとのべた。多度津町の小國宏・町長は、「町をあげて同和・人権問題にとりくんできたが、多度津町の実在者を指名されたことは誠に残念。県議選と同時期に発生しており、内容などからも選挙にからめ混乱をまねこうとしている意図が見える」とのべ、今後とも厳正なとりくみをすすめていく決意を表明した。また、部落名を書かれた丸亀市、善通寺市からも、選挙妨害であり、差別を拡散するきわめて悪質な行為、との意見が出された。
 最後に県連の岡本俊晃・書記長が、「落書の意図、実行者像が確認できた。県連としては、県に新たに設置された人権相談窓口に申告する。実行者がくり返す可能性があるので、施設点検や職員への対応の徹底などの強化を図ってもらいたい」とまとめた。

【高松市内2公共施設差別落書事件の概要】
 3月29、30日に、県庁東館1階トイレと高松駅前広場公衆トイレの壁面に赤マジックで書かれた差別落書が発見された。内容は、2か所とも「………多度津がよくないのは●●のせいである。合併も善通寺(●●) 丸亀(●●)としてはいけない エタが入るとろくなことがないと●●●などに話している………」(●は地名と人物名)などと書かれ、文末に「県職員60歳」と記していることから同一人物と見られている。


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