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部落問題資料室
NEWS & 主張
市民啓発の課題を軸に話し合う
差別発言事件で福知山市と
「解放新聞」(2007.09.03-2334)

 【京都支局】綾部市の元総務部長が、昨年1月に居住地の福知山市内で「部落民は仕事もできんのに市役所に入っている」などと差別発言をおこなった事件(2276号2286号2309号既報)にかかわって、6月28日、福知山市との話し合いをおこなった。高日音彦・福知山市長は、「苦しみや悲しみの原因が部落差別であってはならない。1400人の市職員が居住地でも差別がある限り先頭でやっていくようとりくむ」とのべた。

市職員が居住地でも
積極的な人権活動へ

  綾部市の元総務部長による差別発言事件は、昨年、綾部市で2度の糾弾会をおこない、綾部市の課題を中心に一定の整理をおこなったが、元部長が福知山市在住であったため、この日、福知山市と市民啓発の課題を軸に話し合った。
    話し合いには、大野昭則・府連委員長ら府連3役、福知山地協や綾部地協から20人が参加、福知山市からも高日市長ら20人が出席した。
  冒頭、大野府連委員長は、「(差別発言をおこなった)元部長が部落問題解決のために実践していることは嬉しい。そういう人間になってもらうために闘うのが糾弾闘争だが、人間らしさをとりもどすのは個人の努力だけではできない。支えたのが市であった」とのべた。
  話し合いでは、糾弾会の回答文をもとに、その後の実践状況もふくめて市側から説明があった。
  とくに市民啓発は3年に1回の市民意識調査で現状を把握し、学習機会の充実に努め、自主的な市民の人権サークルが組織されるなどの成果もできた、とのべた。また、他市町に住む市職員についても、北部7市の人権啓発課長会議で連携を深めるが、すでに綾部市とは連携をとっており、自分が住んでいる地域での学習会に自主的に参加するよう指導している、とのべた。
  さらに、部落問題解決のためには、実践活動を、自主的な市民活動と協働・支援するなかで推進する。人権侵害の救済は法制度を求めるとともに、人権相談の充実を図る、とのべた。
  高日市長は、「市民啓発の弱さが課題だ。人権劇による市民啓発活動の実行委員会をつくり、市民参画をはかる。また行動計画をつくり一生懸命にやる」と決意を語り、最後に糾弾闘争本部長の野口峯吉・府連副委員長が、「今後のとりくみに期待できる。行政だけでなく私たちも汗をかく」とまとめた。

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