pagetop
部落問題資料室
NEWS & 主張
反省文読み上げ謝罪
糾弾会で被害者の声聞く
連続大量差別ハガキ事件の実行者

「解放新聞」(2008.02.11-2356)

 東京を中心に全国にまたがった、「連続・大量差別ハガキ事件」の実行者であるSへの糾弾会を1月19日午後、東京都人権プラザでおこない、Sは事実を認めるとともに、反省文を読み上げ、被害者に謝罪した。

再発防止のとりくみ必要

 糾弾会には、東京都連の藤本忠義・委員長代行、鈴木信孝・人権対策部長(副委員長)、長谷川三郎・書記長ほか各支部代表、組織内外の被害者や団体から30人が参加した。中央本部からは松岡書記長が参加した。
  糾弾会では、藤本委員長代行が事件の経緯と背景を報告し、Sに道義的責任として「被害者への謝罪と反省を表明し、差別を許さない立場に立つ」ことを求めた。
  Sは、犯行の背景に①『同和利権の真相』で解放同盟はひどいことをしている団体であると信じたこと②解放同盟が出版している『あいつぐ差別事件』に載せたかった③働いていた職粉からリストラにあった不満などがあったことをあげた。差別ハガキについても「そのうち無視されると思っていたが、被害者の意見陳述書を読んで、初めて自分がしたことの大変さに気づいた」とのべた。
  Sの謝罪を受けて、被害を受けた個人と団体から5人がSに恐怖と苦痛のなかでの生活であったことを訴え、それぞれが憤りを懸命に押しとどめながら、苦しみに満ちた1年半の生活を語りかけ、重みを真剣に考え、さらに反省を深めるよう求めた。
  この糾弾会でSが反省し、被害者に謝罪したという認識にたって、都連側は「この事件の解決はこれが最初の一歩だ。Sにたいするとりくみは今回で終了する。しかし、被害者の人権回復には、二度とこのような差別事件がおこらないよう再発防止のとりくみが必要だ。東京法務局が何の助けにもならなかった教訓をふまえて、「人権侵害救済法」制定と人権救済機関の一日も早い確立が急務であり、世論形成に努めたい」とまとめた。

心からおわびいたします。
 私のおこした身勝手な犯行でたくさんの方がたを苦しめてしまって迷惑をかけてしまい、心からおわびいたします。すいませんでした。
  私は浅草署で被害者の方がたの上申書を読むまでは、自分のした行為によって被害者の方がたがこんなにも苦しんでいるとは考えていませんでした。
  今回の事件は「同和利権の真相」という本に触発されたこともあると思う。内容を自分で確かめもしないで事実と思ってしまって、解放同盟はひどいことをしている団体と思い、こらしめてやろうという気になってしまった。
  でも今回の事件の話しあいのため、何回かにわたって中央本部へ来て見たところ、そういうところではないと思った。3人の方がたとお会いしましたが、とても親切に対応していただいて、部落の人たちにあれだけひどいことをした私にたいして、このような態度で接していただけるとは、とても恐縮しました。
  このように接していただいたことで、さらに事件を反省して、もうこのような親切な人たちを苦しめてはいけない、二度とあのようなひどいことをしてはいけないなという気拝をいっそう強くしました。

  ※ このあと、「二度と差別行為をしない決意」「あらゆる差別をなくす努力」を表明している。

「解放新聞」購読の申し込み先
解放新聞社 大阪市港区波除4丁目1-37 TEL 06-6581-8516/FAX 06-6581-8517
定 価:1部 8頁 115円/特別号(年1回 12頁 180円)
年ぎめ:1部(月3回発行)4320円(含特別号/送料別)
送 料: 年 1554円(1部購読の場合)