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部落問題資料室
NEWS & 主張
主張

 

運動方針案を各級機関で論
議し全国大会にもちよろう
「解放新聞」(2008.02.11-2356)

 部落解放同盟第65回全国大会を、東京の九段会館を主会場に、3月3~5日にひらく。今大会は、一連の不祥事を受けて、中央本部が「部落解放運動への提言」を「部落解放運動に対する提言委員会」(座長・上田正昭京都大学名誉教授)から、昨年12月に手交された直後のものであり、「提言」の中身のなにをどのように部落解放同盟が主体的に受け入れるかなどの点からも、内外注視のなかでおこなわれる。
  全同盟員が「解放新聞」前号で公表された「一般運動方針・第1次草案」を熟読し、そのうえで各級機関で論議を重ね、より実効性のある運動方針へ練り上げ、具体的に実践していくために、大会で議論をたたかわせることを要請したい。

 「「再生・改革」運動をやり抜き、荊冠旗のもとに結集し、部落解放運動の抜本的な質的転換を実現しよう」とのスローガン案が、なによりも今大会の苗性を示している。
  「提言」では、まず第1に、部落解放運動が戦後最大の危機的な状況にあることの認識を全同盟員がもつことを求めている。危機意識の共有化である。その認識に立ったうえで、どう新たな時代の、新たな部落解放運動を創造していくかが問われているのだ。
  つぎに問われるのは、そのためには組織などのあり方についても、いままでどおりではないあり方が求められる。どう具体的に再生し、改革するのか。どうそれをやり抜くのか。そのことが、「「再生・改革」運動をやり抜き」という表現でスローガン案に示されている。
  格差拡大・固定化社会のなかで、部落の多くのきょうだいも、その波に飲み込まれている。部落の居住地から離れていったきょうだい、まだ部落解放同盟に結集し切れていないきょうだい、不幸にも他の組織に移ったきょうだいをはじめ、すべての部落民が、困難を抱えた層を中心にしながら、荊冠旗のもとにあらためて結集し、団結することが求められている。そのことが、「荊冠旗のもとに結集し」という表現であらわされている。
  そして、いままでどおりでない新たな運動の展開、つまり「部落解放運動の抜本的な質的転換」が重要なのだ。その実現をはかること、個別具体的にそれぞれの地方―地域で実践していくことが、スローガン案で示されている。

 こうした認識のもとに、今大会の基調部分の「二 部落解放運動の再生に向けた基本課題」のなかでは、①危機的状況への認識と、この間りくんできた「総点検・改革運動」を「再生・改革運動」として継続②「提言」を主体的判断と責任にもとづき具体化を実現③運動と組織の再生に向けた課題、が書き込まれている。
  また、「三 今年度の重点とりくみ課題」として、①差別糾弾闘争②「人権のまちづくり」運動③「人権の法制度」確立④狭山第3次再審の実現と司法改革⑤衆議院選挙闘争の勝利、松本龍副委員長の7選、がとりあげられている。
  なにをどう変革するのか、そのために組織をどうするのかなどなど、再生・改革へ向けた課題は山積している。部落解放運動の戦後最大の危機という現状に目をそむけることなく、全国水平社創立時からの理念であった、部落解放―人間解放のよき日へ向けて、人類最高の社会の完成に向けて、私たちもさらに歩み続けよう。
  全国水平社からの自力自闘、自主解放の闘いの歴史を引き継ぐものとして、大会で大いに論議し、あらたな方向をともに切りひらこう。

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