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部落問題資料室
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主張

 

第40回和歌山全高で夢と
希望の実現へふみだそう
「解放新聞」(2008.07.28-2380)

 部落解放第40回全国高校生集会を、8月29日からの2日間、和歌山県・和歌山市民会館を主会場に開催する。これに先立ち、5月31日~6月1日に全国高校生活動者会議を開催し、今夏の集会に向けての意見交換と、各地のとりくみ報告など活発な交流がおこなわれた。
  また、今年は高校生と青年の交流を図ることをねらいに、全青実行委員会と並行しての開催を試みた。今後の持ち方に課題を残した側面もあるかと思うが、高校生と青年の繋がりを強固なものにし、お互いの活動の幅が広がるように創意工夫した展開を図っていきたいと考えている。

 さて、今夏の和歌山全高は、「One for all.all for one~解き放て!踏み出せ一歩を!!」のスローガンのもと開催する。
  これまで部落解放運動は、社会のさまざまな矛盾が集中的にあらわれていた部落の生活実態を改善するなど大きな成果をあげてきた。そして、これらのとりくみは、たんに部落のなかだけに留まることなく、教育、就労、福祉、医療など人権に密接にかかわる国の施策全体の水準の底上げを牽引してきた。
  今日の日本をみたとき、自由競争を過度に賛美する無責任かつ無秩序な改革がすすめられてきた結果、政治や経済も混迷をきわめたあげく、犯罪や不祥事の頻発を招き、社会全体に閉塞感や無力感が広がり漂いはじめている。また、年金制度や医療保険制度など、人ぴとの暮らしと生命に直結するさまざまな仕組みにも制度疲労や欠陥が露呈してきている。そして、これらが招いた多くの矛盾としわ寄せが、子どもや高齢者、若年労働者、障害者など社会的弱者に襲いかかり、憲法第25条が保障した「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」さえままならない人びとが増えてきている。一部の権力者たちの横暴な振る舞いにより、命さえ脅かされる人びとが出現している今日の状況は、もはや人災そのものである。
  ならば、部落解放運動にとりくむ高校生をはじめ若い力を結集して、あらゆる差別を許さず、すべての人びとの人権が保障され、安心して暮らせる社会を、その手で取り戻そう。そのための第一歩を、この夏に踏み出してみよう。部落解放運動には夢がある。

 活動者会議のさいに、釜ケ崎では、いぜんとして厳しい生活を余儀なくされる人びとの姿を目の当たりにし、高校生人ひとりがさまざまな想いを巡らせた。そして、部落解放運動の輪をさらに広げ、差別のない社会の創造に向けてとりくむよう激励を受けてきた。また、人権のまちづくり運動やアジアをはじめ海外の人びととの連帯活動など幅広い活動にとりくむ浅香の地では、すべては解放運動から始まったと、熱く夢を語る先達の心にふれ、励ましを受けてきた。
  今夏の第40回和歌山全高では、日頃の各地でのとりくみの成果と課題を持ち寄り、全国の仲間と交流を深めるなかで、差別にたいする不安や悩みからみずからを解き放ち、それぞれの夢と希望を語り合ってもらいたい。そして、その夢と希望の実現に向けて大きな一歩を踏み出していこう。
  第40回和歌山全高を成功に導き、全国の高校生の新たな飛躍の場とするために、各都府県連・支部からの積極的なとりくみをおねがいしたい。

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