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部落問題資料室
NEWS & 主張
恨み憎しみに賤称語
「Aは○○のよつ」など
高知市内で大量差別落書事件

「解放新聞」(2008.08.18-2383)

 【高知支局】「〇〇〇のAは○○のよつ」など、高知市内で4月から5月にかけてAさん(58歳・女性)にたいし、同一人物による46件の大量差別落書事件がおきた。懸命の探索の結果、差別落書実行者B(32歳・男性)を発見した。事情聴取でBは、Aさんにたいする恨み、憎しみからで、賤称語をつかったのは「相手Aにたいするダメージの強さを考えた」と、動機を明らかにした。高知市は、Bにたいする啓発指導のとりくみを検討している。

実行者を特定
  大量差別落書事件は、4月12日に20件、19日に12件、30日に6件、5月2日に8件と1か月余りで計46件の落書が、市内のNTT電話柱、バス停の長いす、電力柱、キャッシュコーナーの扉、道路標識、民家のブロックなど、いたるところで発見され、市民や職員からの通報が高知市同和・人権啓発課にあいついだ。
  差別落書は、「〇〇〇のAは○○のよつ」「○のよつ」「鬼畜のよつ」など、いずれも黒太字フェルトペンで、Aさんの実名や人物の外見、地名など同じような表現で書かれていた。
  落書の通報を受けた同市の担当課職員らが懸命の探索をした結果、差別落書の実行者Bを発見した。BとAさんは市内の同じ量販店に勤務。Bが新採用2年目のため、先輩AさんがBを指導していたが(Aさんの話)、Bにとってはいじめとしか受け取れず、Aさんを恨み、憎んでいたというもの。
  また事情聴取で、落書の最後に「よつ」と表現したのは、Bが在学中に学校が荒れ、その原因が部落の子どもたちであると思い込み、社会に出てからも部落にたいするマイナスイメージをもちつづけ、普通のののしりや批判ではなく、Aさんにたいするダメージを強くするために使った、とのべている。(被害者Aさんは、部落出身者ではない)
  高知市や県は、被害届けとAさん自身による告発(高知市も)をしているが、現在、高知市はBにたいする息の長い啓発指導のとりくみを検討、Aさん、Bの勤務する量販店にたいしても人権問題に関する協力要請をおこなっている。


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