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部落問題資料室
NEWS & 主張
TBSテレビが謝罪
小道具に「穢多」の文字が
番組の再現ドラマのなかで放映

「解放新聞」(2008.11.24-2396)

 TBSテレビが10月14日(火)19時56分~21時48分に全国ネットで放送した「キミハ・ブレイク「篤姫は知っていた!? 徳川埋蔵金大発掘」」のなかで、賎称語の「穢多」という文字が何の脈絡もなく写し出される事件が起きた。広島県連から報告を受けた中央本部が、TBSに指摘したところ、番組の再現ドラマシーンの「小道具」の「綴じ本」であったことがわかり、TBSは不用意であったことを謝罪、その小道具の破棄とともに、再発防止に向けた報告を10月20日付けで中央本部におこなった。

全社的な啓発へ
  指摘を受けたTBSは、翌15日に中央本部を訪れ、事実関係を認めた上で謝罪するとともに、「番組を日光江戸村で収録したときに、「徳川埋蔵金の存在根拠」を示す再現シーンに使用する小道具として「綴じ本」を集めたさいの1点であった」と報告、今後さらに事実経過と問題点、今後のとりくみを文書で提示することを確認した。
  そしてTBSは、10月20日付けで社内調査の結果と再発防止に向けたとりくみを文書で中央本部に提出した。
  それによると問題となった映像は、10月14日放送の「キミハ・ブレイク」で、番組の主たる内容は「徳川埋蔵金」に挑戟するエンターテイメント・ドキュメンタリー。そのなかで再現ドラマ「小栗上野介が長州征伐に必要な資金を集めるため勘定奉行所でさまざまな書類を見ているシーン」で、小栗が手にした小道具の白和綴じ本の表紙に「穢多非人取締」と筆文字で書いてあるのが13秒間、放送画面に映ったもの。
  その小道具の白和綴じ本は、保管倉庫からロケの現場に持ち込まれた約160册のなかの1点で、当該の白和綴じ本は、30年前に撮影用小道具として作られたものと推測され、それが「どんな番組(映画・舞台)に使用する目的で作成されたかは、今や知る人がなく、今回の社内調査では判明しなかった」と報告。その問題となった当該の白和綴じ本は、事実確認作業ののち、「速やかに破棄すること」にしたと報告した。
  また、当該シーンの撮影と放送の経緯は、現場のあわただしい状況のなかで急きょ決めたシーンのため、ディレクターをはじめ、カメラマンらのスタッフも表紙の文字に意識が届かぬまま撮影し、放送までにプレビュー(下見)の機会があったが、当該シーンの文字の問題には気づかなかったとのべている。
  TBSは、「当番組は「徳川埋蔵金」を発掘しようという「夢」を追う人びとを扱ったエンターティメント番組であり、もとより差別を助長しようとする意図は全くない。にもかかわらず撮影スタッフをはじめ複数の局担当者の不用意と不注意のため、このような映像を放送したことには深く反省し、今後このような問題が再発しないよう、全社的な啓発にとりくんでいく」と回答した。


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