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部落問題資料室
NEWS & 主張
「市内の同和地区教えて」
人権同和施設課に差別電話が

「解放新聞」(2010.08.30-2483)

 【和歌山支局】「市内の同和地区を教えて」と、5月17日と6月7日、和歌山市役所の人権同和施設課に差別問いあわせ電話があった。

1昨年から多発する「差別問い合わせ」
  5、6月の2件の差別電話は、男性と女性であり、同一人物ではないが、「○○(地区名)の市営住宅は同和地区か」「市内にある文化会館(隣保館)の場所を教えてほしい」「市内の同和地区を教えてほしい」などと、「部落を聞き出す」というもの。
  同県では、こうした「差別問い合わせ」は、1昨年から県内各地で多発しており、その会話の内容も「聞けば教えてくれる」という軽い気持ちの問い合わせが多いという。さらに、罪悪感のなさや「いままでも結婚のときは身元調査をしていた」という当たり前のように差別行為を「容認」していることと「と場のある(あった)ところは部落」という差別的な情報がとびかっている現実も明らかになっている。
  今回、和歌山市役所にかけられた差別電話は、これまでの経過から、相手先の電話番号が表示される「ナンバーディスプレイ」を設置していたものの、人権同和施策課に直接かけられたものでなかったために「特定」ができなかったという欠陥も明らかになった。

事件発生の背景に「特措法」失効が
  県連では、電話で部落の所在地を聞き出すという事件の背景には、「特別措置法」の失効にあわせ、行政や教育現場で「同和」という文字や表現をやめて、「人権」という文字に置き換え、市民に「特別措置法の失効で同和問題も終了した」という間違った市民感情をあおり立てたことも要因に考えられる、とみている。
  また、今回の差別電話は、「○○地区の市営住宅は、同和地区の可能性がある」という意識と、その意識をもとに、隣保館が近くにあるかないかを調べ、差別者のなかにある差別的情報を確認するための電話だったとみている。

ネット上でも隣保館の一覧
  それを裏付けるように、以前にインターネットの書き込みのなかに、差別書き込みと同時に和歌山市内の隣保館一覧が掲示されたことがあり、「隣保館のある周辺が同和地区」という情報が飛び交ったこともある。


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