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部落問題資料室
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主張

 

高校生の組織化と活動に工夫をこらし千葉全高を成功させよう

「解放新聞」(2010.08.30-2483)

 昨夏に長崎でひらいた第41回全国高校生集会には、全国から300人弱の高校生の参加があった。今春に卒業をして進学、就職を果たした者、回り道をしながらも自分の夢に向かってさらに努力を続けている者など、それぞれの道を進んでいることと思う。同じ思いを胸に集ったものとして、彼らにエールを送り続けたい。
  そして、今年の全高にも、新たな決意を胸に、ひき続き参加をする者がいる。期待や不安を胸に新たに参加してくる者と、こうした光景が毎年繰り返され、これからも繰り返されていくだろう。その今年の全高であるが、ようやくにして11月6、7日に千葉県鴨川市でひらく目処がたった。例年とは大幅に時期を違えての集会となり、関係者の方がたにはご苦労をかけることもあろうかと思うが、特段のご理解とご協力をお願いしたい。


  さて、解放運動のなかで組織離れ、とりわけ若年層の減少が問題であり、次代の解放運動を担う若手の育成が運動の課題といわれて久しい。
  しかし、最盛期にくらべて大幅に減少したとはいえ、全高にはいまだに1学年で100人近くの高校生が全国から結集している。そこでは、高校生ならではの夢と希望や、不安や葛藤が語られ、熱い議論とともに互いへのエールが交わされる。多くの参加者が、つながり、支えあう仲間の大切さを訴え、高校生友の会など解放運動の仲間が集う場が、心のよりどころであり、自分の支えであると心境を吐露する、変わらない光景がそこにはある。
  そして、こうした全高での経験を糧に、高校生1人ひとりが、それぞれに解放運動の意義を見い出し、実践しようとしている。
  長崎全高に招いた助言者からは、次代の運動を担う若手の問題は、十分に育てることができていない大人の問題だ、との感想と激励をいただいた。

  今日、高校生の進路は多様化している。また、部落内の階層化の進行や価値観の多様化もあって、高校生の組織化と活動の継続には様ざまな工夫をこらすことが不可欠である。
  昨年の長崎全高では、分科会のサポート役として全国の青年に協力を仰いだり、高校生と同世代の在日コリアン、視覚障害者、トランスジェンダーなど人権問題の当事者を講師に迎えて分散会をおこなうなど、高校生と青年のつながりや被差別当事者間の連携を強固なものにし、双方の活動の幅が広がるように創意工夫した展開を追求してきた。
  部落解放運動の原則は原則として継承しながらも、今を生きる、そして、これからを生きつづける高校生や青年など若年層のニーズに応じた運動方針や活動内容を各地で創造していくことが重要である。高校生たちが社会に出て、ひとり部落差別に直面したとしても抗い、生まれ育った故郷とつながり、部落解放の主体として立ち続けることができる、そうした人材を各地で育てていこう。
  そして、高校生が、将来、解放運動が自分の原点であると胸を張って語ることができる運動を、彼らとともに創造していこう。

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