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部落問題資料室
NEWS & 主張
高裁前で朝と昼に情宣
狭山再審開始を訴えて

「解放新聞」(2011.06.27-2524)

 梅雨空にときおり小雨を感じる朝。石川一雄さん、早智子さんを中心とした東京高等裁判所前の情宣がつづいている。6月14日も横断幕2枚をひろげ、埼玉県連と栃木県連、千葉・狭山事件にとりくむ東葛住民の会など13人の参加でおこなわれた。情宣では石川一雄さん、早智子さん、一雄さんの兄六造さんのつれ合いのウメ子さん、東葛住民の会の神林成光・代表らがマイクを握り、「証人や鑑定人にたいする事実調べを速やかにおこない、勇気をもって再審開始をしてほしい」と訴えた。また、組坂委員長も激励に訪れた。
  石川さんは、「検察は裁判所からの証拠開示勧告を無視し、36点しか開示しなかった。検察が殺害現場と認定する場所の血痕検査報告書や死体解剖所見などは、いまだに開示されていない。裁判所は真実解明の場であってほしい。誤判をおこさないためにも公正な裁判が必要だ。全証拠の開示が必要であり、裁判所は再審開始へ勇気をもって踏みこんでほしい。真実は解明される」と訴えた。
  早智子さんは、「夫の裁判をやり直してほしい。47年前にはわからなかったことが医学や科学の進歩で解明されてきている。検察は裁判所の勧告を無視している。「勧告」は真実の解明のためには必要だとの判断からだ。今度の3者協議までに開示しない場合は再度勧告をおこなうよう求めたい」とよぴかけた。
  組坂委員長は、「石川一雄さんは、1963年以来、無実を訴えている。新しい裁判官もぜひ石川さんの話に耳を傾けてほしい。再審を開始し、石川さんの無実を明らかにしてほしい」と訴えた。
  昼からも高裁前での情宣活動をおこなった。

8日も証拠開示訴える
  石川一雄さんの「第3次再審闘争で決着をつけたい」との強い決意のもとで開始された東京高等裁判所前の情宣活動。6月8日には、石川一雄さん、早智子さんほか埼玉県連と群馬県連、北埼玉地区狭山裁判を支援する市民の会、東京同宗連からの参加者など11人で朝と昼の情宣活動がおこなわれた。高裁前はこの日も小雨まじりのあいにくの天気。ふたつの大きな横断幕を掲げての情宣行動となった。
  石川一雄さんは東京高裁に向けて3者協議で8項目のうち未開示のままにあるルミノール検査報告書など3項目の証拠開示の重要性にふれ、「捜査過程で集めた証拠は、検察や警察のものでない。国民の税金で集めたものだ。すぐに開示を」と訴えた。また、「犯人のものとされる地下足袋を開示して履かせてほしい。大きさが私の足と合わないものだ。一目瞭然で違うことが明らかになるはずだ。検察が隠し持つ証拠の開示がされればすぐに無実がわかるはずだ」と公正な裁判の実現を求めた。
  また、石川さんが逮捕された翌日に書かされた上申書が47年ぶりに開示された。これまで「脅迫状との一致」を有罪の根拠としてきたが、この上申書の鑑定の結果は、まったく別人が書いたものとの鑑定がされた。検察の主張はまったくのあやまりであり、石川さんはこの点も強く批判。「私はすぐに無罪にしろとはいっていない。真実は法廷の場で明らかにされる。事実調べと再審開始に裁判所は勇気をもって踏みこんでほしい」と訴えた。


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