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部落問題資料室
NEWS & 主張
計画的に差別扇動おこなう
水平社博物館前の差別街宣裁判

「解放新聞」(2012.04.16-2565)

 【奈良】水平社博物館前の路上差別街宣(2508号、2535号、2541号、2554号既報)の名誉毀損による損害賠償請求訴訟の第3回口頭弁論が3月5日午後、奈良地裁の第101号法廷でひらかれ、原告である水平社博物館側の2月3日付第1準備書面の概要説明をおこなった。

差別街宣はきわめて強い違法性
  この書面は昨年12月16日付の被告(差別街宣者の川東大了)の準備書面にたいし、審理に必要な範囲で反論を加えたもの。
  第1に、差別街宣がきわめて強い違法性をもつこと。被告が部落にたいしてもつ差別性と、女性、在日韓国・朝鮮人にたいしてもつ差別性は通底しており、発言が表現の自由として保護されるべき正当な目的はないこと。
  さらに、水平社博物館の展示・解説文は差別にはあたらない。加えて、被告は水平社博物館に2011年1月5日に来館する前に、あらかじめ高田警察署に立ち寄り、1月22日に街宣活動をおこなうことの許可を求めており、展示にたいする意見表明ではなく、当初から、韓国・朝鮮人および被差別部落出身者にたいする差別意識をあらわにし、挑発する目的で予定されていたことが明白であること。
  また、本件発言がなんらの社会的相当性をもたず、発言のようすを動画投稿サイトにアップロード(投稿)し、広く視聴できる状態においており、直接的な挑発のみならず、みずからの差別意識を誇示し、社会に流布する意図をもち、計画的に差別街宣をおこなっていること。
活動や存立意義ふみにじるもの
  第2に損害論については、水平社博物館がとりくんできた差別撤廃・部落解放運動の意義を全否定しようとするものであり、さらに広く視聴できる状態においていることから、これに感化されてしまう者がでる可能性もあり、水平社博物館がおこなってきた活動や存立意義をふみにじるものであり、水平社博物館に重大な損害を与え、あえて金銭的に賠償するとしても、その額は1000万円をくだらない、ことを明らかにした。
  終了後には近くの会場で報告集会をおこない、団結して差別街宣を許さず闘いぬくことを、あらためて確認した。
  次回の第4回口頭弁論は5月7日午後3時から、奈良地裁第101号法廷でおこなわれる。


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