pagetop
部落問題資料室
NEWS & 主張
人権教育に真摯にとりくむ
福教大差別講演問題で確認会

「解放新聞」(2012.07.23-2578)

 【福岡支局】昨年8月に新聞報道で明らかになった「福岡教育大学での外部講師による差別(発言)講演事件」(2569号既報)の問題で、県連は6月11日、同大学との1回目の確認会をひらいた。
  確認会には、県連から、差別発言をした外部講師が所在する愛知県連の代表も加え15人が参加、大学側からは6人が出席した。
  確認会では、大学側が、「差別発言だけではなく、研究紀要や講演録の冊子を配付したことにより、差別意識をさらに拡大させた。教員を育成する大学の立場であるなかで、あってはならないことである」と反省し、「事件発覚から早急に調査委員会を設け、今年3月に調査報告を発表。今回のことを教訓として二度とこのようなことを起こさないために、課題を共有して人権問題の啓発につながるよう真摯にとりくんでいく」と決意を語った。
  意見交換では、県連から大学の調査報告書をもとに疑問点や不明な点について27項目にわたって説明を求めた。
  最後に、吉岡正博・県連書記長が、「報告書を精査し、事実関係を明らかにする場として今回の確認会となった。今回で、さらに中身が見えてきたと思っている。今後、大学全体の人権教育を推進するための具体的方針を明らかにしてほしい」とまとめた。

 差別発言事件の概略
  福岡教育大学主催の講演会(09年8月1日)で、外部講師が校区内に同和地区がある中学校をユダヤ人が大量虐殺された強制収容所にたとえて「ここは学校なんかじゃない。アウシュビッツだ」などと、同和地区を校区に含む学校にたいする差別的な予断と偏見を助長する発言をしたもの。
  講演会には教職員を中心に61人が参加。大学も、ことの重大性や問題点を認識せず、10年3月に「講演記録」として冊子にまとめ、175冊を他大学や教育関係機関へ配布、11年2月には1537冊を増刷、県内の小中高校に配布。さらに同年3月には「研究紀要」として149冊を他大学や教育関係機関に配布した。
  なお、「講演記録」「紀要」の作成時に同大学の関係者もかかわっていたが、なんらの指摘もなかった。


「解放新聞」購読の申し込み先
解放新聞社 大阪市港区波除4丁目1-37 TEL 06-6581-8516/FAX 06-6581-8517
定 価:1部 8頁 115円/特別号(年1回 12頁 180円)
年ぎめ:1部(月3回発行)4320円(含特別号/送料別)
送 料: 年 1554円(1部購読の場合)