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部落問題資料室
NEWS & 主張
意見交換し問題提起
「閲覧」と差別結びつかず
NHKのテレビ番組「鶴瓶の家族に乾杯」で
寺院訪れ「過去帳」利用しある俳優のルーツ探しが

「解放新聞」(2012.08.27-2582)

 NHKのテレビ番組「鶴瓶の家族に乾杯」(5月7日放送)で、ある俳優のルーツを、浄土真宗本願寺派の寺院を訪ね、「過去帳」を手がかりにしようとし、閲覧を求め、寺院が「これが過去帳」といって、明治年間の「門徒明細簿」や「門徒戸数控」を開示するようすが放送された。この問題で、8月2日午後、広島県福山市内でNHKとの意見交換をおこない、「過去帳」問題をはじめ部落問題への認識を深め、メディアとしての社会的責任をはたすよう求めた。
  NHKは、「寺院にいけば「過去帳」が安易に閲覧でき、情報を得ることができる」との認識を視聴者に与えたものとの部落解放同盟の指摘をうけとめ、「これを機会に認識をあらたに、「過去帳」問題にとどまらず、「放送してはならない」ということではなく、NHK全体で課題を共有化し、共通理解としていけるようにしたい」との姿勢を明らかにした。
  部落解放同盟からは松岡中央書記長、広島県連の川崎卓志・委員長、岡田英治、広中恵美子、山下真澄の各副委員長、政平智春・書記長らが参加。NHKからは、番組担当者など4人が出席した。
  意見交換は、中央本部と広島県連連名の6月11日付申し入れをうけたNHKの6月29日付回答書をふまえ、経過を確認してからすすめた。
  NHKは、「過去帳」を撮影、放送したことについて、「私どもも、もちろん「過去帳」の存在は知っており、またその中に差別につながる記述がある場合もあって、撮影や編集に当たって注意が必要であることは認識しておりました。したがって、もし差別につながるような記述があった場合は、当然、使用できないものと考えておりましたが、閲覧させてもらうという行為そのものに問題があるとは、その時は思い至りませんでした。放送前に、あらためて該当箇所の試写と検討を行ないましたが、映像の中に問題となるような記述が映っていなかったことと、○○さんがご自分の祖父に限定して住職に尋ねていることから放送可能と判断したものでした。ご指摘のように、「番組を見た視聴者が「過去帳」というものは簡単に見せてくれるものだと思ってしまうかもしれない」という可能性にまでは、注意が及びませんでした」とし、指摘後の確認で、身元調査などに利用される問題がおきているため、仏教宗派では閲覧を禁じている事実を知ったことなどを報告した。

さらに掘り下げるよう要請

 同盟からは、テレビ番組表にも、「広島三原市へ 先祖の手がかり探す旅 過去帳で発見なるか」が書かれており、「過去帳」がいまも生きる差別とつながっているとの認識が甘いことを指摘。自分が部落出身でないことを証明するためにルーツ調べをするケースもあり、NHKのだれもがこうした問題点を指摘できなかったこととあわせ、さらに掘り下げるよう求めた。
  NHKは、あさはかな知識であった。いまならこんな番組欄は書かないし、シーンもカットしている。勉強不足であり、NHK全体で協議していく必要があることを示した。
  同盟からはさらに、差別をなくす立場に立つかどうかが問題であり、部落差別の問題にアンテナをはり、身近なところで連携をとるよう要請した。
  さらに今回の話しあいでの提起を整理し、▽過去帳問題のとらえ方▽放送したことの責任の明確化▽メディアとしての社会的責任▽今後のとりくみの方向性などを文書で提出することを確認した。


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