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部落問題資料室
NEWS & 主張

まやかしの「主権回復の日」

「解放新聞」(2013.05.06-2617)

 「4・28主権回復の日」を問う~繰り返される「沖縄切り捨て政策」と題した院内集会が4月17日にひらかれた。主催はフォーラム平和・人権・環境など6団体、150人が参加した。国会議員の山内徳信さんは「主権回復の日はまやかしだ」と訴えた。

山内さんが訴え
  私は昨日から今朝まで、4・28をめぐるいまの動きと日本の憲法との関係を考え続けていた。なぜこれほど何回も何回も切り捨てられるのか、という思いだ。
  私は4・28のサンフランシスコ講和条約が結ばれたその翌日に、戦争のなかで20万前後の人が死んでいったこの沖縄をなぜ(講和条約で)切り捨てるのか、3年生の先輩に意味を聞こうと走っていったことを昨日のように思い出す。
  私は辺野古の少し先で高江のヘリパットを建設しようとしているあの山のなかで生き残った。沖縄の山原の森は中南部の人にとっては命をすくわれた山だ。あの辺野古の海は、敗戦後に食べるものがなくなったときに、海にいけば魚介類が獲れた。それでやっと人びとが生きながらえることができた。
  私は沖縄戦の敗戦の時には小学校4年生だった。読谷飛行場とか嘉手納飛行場をつくった。伊江島に飛行場をつくるために、読谷からもおじさんたちが送り込まれたがほとんど死んで帰ってこなかった。そういう沖縄戦を体験して、4・28のことを思ったときに、戦後の沖縄の不幸の出発点は、4・28にあると思っている。戦後の沖縄では基地を自由につくれた。銃剣をつきつけ、ブルドーザーで押しまくってつくった。
  私は自分が生まれた故郷にはまだ帰ってはいない。そこはアメリカが本土爆撃用の飛行場をつくって基地になったからだ。あれから67年たっている。
  私はいまこの集会を計画してくださったみなさんに心から感謝を申し上げたい。喜怒哀楽をともにしていこうとするみなさんがいらっしゃればこそ、沖縄で悲しい思いをしながら、必死に闘っている人びとがこれからも闘っていける。4・28の「主権回復の日」うんぬんというのは、まったくの国民だまし、沖縄県民だましの言葉だ。私たちはいま、大変な状況に遭遇している。みんな力を合わせて、この平和憲法を守り抜きたい。沖縄の闘いに勝利することが日本の平和と未来につながっているという思いがある。人間が大事にされる日本をつくろう。


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