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部落問題資料室
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主張

 

第46回全高・第58回全青合同開催を成功させよう

「解放新聞」(2014.06.23-2672)

 部落解放の「よき日」をめざして、全国水平社を創立させた多くの先人たちの苦難の闘いの歴史の延長線上に現在がある。先人たちは、自主自立の方針を掲げ、みずからの力で部落の解放をかちとる運動をすすめてきた。人間として生きるために、自由と平等をかちとるために、部落差別を社会問題としてとらえ、この解決をめざし、人権確立の闘いをすすめてきた。
  松本冶一郎元委員長は「不可侵 不可被侵」「貴族あれば賤族あり」と部落解放の理念、本質を喝破し、厳しい弾圧をうけながらも闘いの先頭にたって部落解放運動を前進させてきた。私たち青年は、こうした先人の闘いの歴史をしっかりと受け継がねばならない。時代状況は変わっているが、闘いの歴史に学び、青年部活動や高校生のとりくみを大きく前進させよう。

 安倍政権は、「戦後レジームからの脱却」に向けて憲法の解釈改憲による集団的自衛権の行使容認などを主張し、「戦争のできる国づくり」を強引におしすすめている。一方、格差拡大社会のなかで差別と貧困の問題はますます深刻化している。消費税増税や年金の減額、生活保護費の削減など、社会保障制度や労働法制の改悪をおこなうとともに、沖縄へのオスプレイの配備の強行や原発再稼働の推進、「領土問題」を武力で解決しようとするなど、人権と平和が脅かされる危機的状況にさらされようとしている。
  この間、アジア近隣諸国との間に緊張関係を生み出した安倍政権の姿勢や「嫌韓」「反中」感情をあおるような報道なども影響し、街頭で公然と「朝鮮人、韓国人を殺せ!」などと、在日コリアンをはじめ、社会的マイノリティにたいする人権と尊厳を踏みにじるヘイトスピーチが社会問題化している。私たちは、差別排外主義を断固許さず、人権と平和の確立をめざす反差別国際連帯活動を強化し、反差別・人権確立のとりくみをすすめていこう。

 教育現場では、2002年に「特別措置法」が失効していらい、部落問題や人権問題を学ぶ機会が少なくなってきている。いじめ、不登校が増えている現在、同和教育・人権教育をすすめ、いのちの大切さを学ぶなかで、相手の気持ちを考え行動できる子どもたちの育成をめざし、学校・家庭・地域が一体となってとりくむ必要がある。
  また、若者の雇用でも就職難やブラック企業の蔓延など、仕事に就きたくても働けない雇用環境のなかでますます貧困問題が広がりをみせ、部落内外の若年層の教育や労働実態にも深刻な打撃を与えている。年齢や世代、地域をこえて、多くの高校生・青年がつながり、よりいっそうの連帯を深めながら、より一体的なとりくみの推進と活性化をめざし、8月9、10日「「ひろげよう仲間の輪」「深めよう仲間のきずな」を合言葉に、おこそうあらたな若者の創造」をスローガンに、部落解放第46回全国高校生集会と部落解放第58回全国青年集会を大阪市内で合同開催する。高校生、青年集会の合同開催は初めてのとりくみであり、地元大阪府連は青年・高校生で実行委員会を結成し、「たがいに元気をもらえる集会にしたい」と集会成功に向けたとりくみをすすめている。
  1日目の全体集会の記念講演では、広島県原爆被爆教職員の会の下原隆資・会長が「私の被爆体験~被爆の中での差別」と題して講演する。69年前に広島・長崎に原爆が投下され、多くの命が奪われた。いまこそ、反戦平和の学習を深め、安倍政権がめざす「戦争のできる国づくり」に反対する闘いを強化しよう。
  分科会は、参加対象を高校生のみ、高校生・青年合同、青年のみの分科会を企画し、高校生のみの分科会は、生い立ちや地域・学校でのとりくみ、「部落」についての思いを語りあう。高校生・青年合同の分科会は、さまざまな差別に気づき、考えるきっかけをつくる、をテーマに「解放運動入門」と「狭山事件入門」にわかれ、狭山事件入門では事件についての学習や石川一雄さんとのディスカッションを予定している。青年のみの分科会では、「差別とは何か、人権侵害とは何か」、「青年部活動に女性が参画しやすくするには」「仕事や学業、子育ての悩みや思い」などをテーマに、意見交換や議論をおこなう。一人でも多くの、青年・高校生が参加して、活発な意見を出し合い集会の成功をかちとろう。

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