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部落問題資料室
NEWS & 主張

国連・人権勧告の遵守求め
「人権後進国」の恥ずべき現状訴え集会とデモ

「解放新聞」(2014.10.13-2686)
 「国際社会に挑戦しているようだ」。ある国連・人権条約締結国の定期審査にかかわる委員は、日本をこう評した。国運各委員会からの、たび重なる人権状況是正勧告を無視し続ける日本。この状況に「なぜ日本は条約を批准したのか」と疑問の声が出されている。日本は、あらゆる分野で国際人権水準から大きく取り残され、「人権後進国」「変わらない日本」と酷評されるまでになっている。
  日本の人権状況の悪化が強まりをみせるなか、9月28日午後、「国連・人権勧告の実現を!すべての人に尊厳と人権を」と題した集会が、東京・芝公園でひらかれ、400人が参加した。主催は実行委。多くの団体がアピールし、日本政府に国連勧告の即時うけいれを迫った。部落解放同盟も東京都連、栃木県連から参加。「部落差別を許さない」「アイヌ民族に先住権を」などシュプレヒコールし、朝鮮大学生の音楽隊を先頭にデモ行進した。
  主催者あいさつで、森本孝子さん(「高校無償化」からの朝鮮学校排除に反対する連絡会)は「この国はどこへ行こうとしているのか。政府と社会にたいして訴えていこう」と提起。「自由権規約委員会勧告概要報告」(海渡雄一・日弁連・自由権規約ワーキンググループ座長)、「人種差別撤廃委員会勧告概要」(師岡康子・弁護士)、「日本政府は勧告順守の義務がある」(寺中誠・東京経済大学教員)の3本の特別報告がおこなわれた。
  ①「慰安婦」問題②原発事故当事者③移住労働者④婚外子差別⑤朝鮮学校無償化⑥沖縄⑦障害者差別禁止、のそれぞれの立場からも、国連勧告を即時うけいれて国内法整備、差別撤廃への責任をはたすべきだ、と訴えた。
  特別報告では、海渡さんは「日本の人権がゆらいでいる。勧告を生かすには私たちががんばることが必要。ヘイトスピーチは法規制が必要」と。師岡さんは「ヘイトスピーチは言論だけの問題ではない。背後にある人種差別だ。日本は差別を違法とされない国だ」と。寺中さんは「これらの勧告を守る必要はないという日本政府の立場は、条約違反であり憲法違反でもある。国に目を向けさせる闘いが必要だ」と訴えた。
  集会の最後には「日本政府に国連・人権勧告の実現を求めるアピール」を採択。「「民族浄化」などを叫ぶネオナチ、ヘイトクライムをくり返す在特会と行動をともにしてきた者を閣僚として任命した」と日本政府を批判し、「日本政府はすべての国連・人権勧告をうけいれ、実行せよ!その日を引き寄せるために私たちは闘う」と結んだ。

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