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部落解放同盟ガイド

綱 領

(1997年5月27日 部落解放同盟第54回全国大会決定)

前 文
 わが同盟の目的は、部落差別からの完全解放の実現にある。
 ふるさとを隠すことなく、自分の人生を自分で切り拓き、自己実現していける社会、人びとが互いの人権を認め合い、共生して行く社会、われわれは部落解放の展望をこうした自主・共生の真に人権が確立された民主社会の中に見いだす。
 わが同盟の組織は「人間を尊敬する事によって自ら解放せんとする」部落大衆の結集体であり、差別と闘うすべての人びととの連帯をめざす大衆団体である。
 わが同盟は、1922年「エタである事を誇り得る時が来たのだ」との血の叫びのもとに創立された全国水平社の歴史と伝統を継承し、すべての差別と闘う。
 また、部落差別を支えるイエ意識や貴賤・ケガレ意識と闘い、差別観念を生み支える諸条件をうちくだき、世界平和と地球環境を守り、人権文化を創造する。
 われわれは、自力自闘の精神を鼓舞し、「世界の水平運動」と「自主・共生・創造」の旗を高く掲げ邁進する。

基本目標

  1.  われわれは、互いの尊厳の承認と自主解放の精神をもって団結し、広範な人びととの連帯のもと、部落解放の「よき日」をめざす。
  2.  われわれは、差別事件を糾弾し、差別の不当性を社会的に明らかにするとともに、差別の根絶のためのとりくみを求める。
  3.  われわれは、部落差別を支える非民主的な諸制度や不合理な迷信・慣習、またイエ意識や貴賤・ケガレ意識など差別文化を克服し、身分意識の強化につながる天皇制、戸籍制度に反対する。
  4.   われわれは、国際的な人権諸条約の早期締結ならびにその具体化と、部落差別をはじめ、あらゆる差別の撤廃に役立つ国内法制度の整備と司法の民主化を求める。
  5.  われわれは、今日における部落差別の実態と課題を明らかにし、人権・福祉・環境をキーワードとして、災害に強い魅力あふれる街づくりにとりくむ。
  6.  われわれは、高齢者、障害者、母子・父子家庭、生活保護世帯等の自立生活を支援し、人権の視点からの福祉・保健・医療改革を推進する。
  7.  われわれは、学習権と仕事の保障を獲得し、一人ひとりの部落大衆が持つ可能性を最大限発揮できるようにとりくむ。
  8.  われわれは、部落の地場産業等を振興させ、人権・平和・安全・環境をテーマとした共生のネットワークの構築をはじめ経済面からも相互連帯をはかる。
  9.  われわれは、周辺地域との連帯交流を推進し、地域社会の改善に参加する。
  10.  われわれは、人権・教育・啓発の積極的な推進を、行政、企業、マスコミ、学校・大学、労働界、宗教界、法曹界、政党政派やNGO等各方面にはたらきかけ、差別観念の払拭と人権意識の普及高揚に貢献する。
  11.  われわれは、被差別民衆の生活文化を継承発展させ、人権文化を創造する。
  12.  われわれは、アジア・太平洋地域を軸として世界の水平運動を展開し、差別なき平和な世界の建設に邁進する。
  13.  われわれは、人間性の原理に覚醒し、人類最高の完成のために突進する。

 

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