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参議院選挙に総力をあげて勝利し、改憲阻止と新自由主義政策にストップを

「解放新聞」(2016.06.13-2766)

 アジア太平洋地域ユネスコ記憶遺産に、全国水平社の朝鮮・衡平社との連帯が登録された。そのなかの一つに米田富手帳がある。衡平社との連帯の記録を手帳にしたためた米田富さんは、全国水平社の創立メンバーの1人で、奈良県連委員長、中央統制委員長などの要職を歴任した。
  その米田さんがよくいっていたのが、「理屈と膏薬はどこにでもつく」という言葉だった。
  その典型例が、今回の安倍首相による消費増税実施再延期の「理屈」だ。今年初めから再延期の機会と理屈を練っていた首相は、さきのサミットで世界経済の危機なるものを、消費増税再延長の理屈づくりのために強調した。しかし、安倍首相のいう世界経済は「危機目前」という認識に賛同する首脳は誰ひとりとしていなかった。そのため、サミットの宣言では「われわれは新たな危機に陥ることを回避するため、経済の強靭化を強化してきている」という曖昧な表現にとどま った。
  にもかかわらず、これがサミット後の記者会見になると、「リーマンショック」という言葉を7回も使い、「世界経済が通常の景気循環をこえて危機に陥る大きなリスクに直面している。G7はその認識を共有した」などと明らかな嘘をつき、危機に直面していると煽ろうとした。そして、国会会期末の記者会見では、「アベノミクスは順調に結果を出している」のだが「増税延期はあくまで世界経済のリスクに備えるため」だと、すべてを「直面する世界経済の危機」のせいにしてしまった。
  安倍首相の会見内容は、世界中の報道でも明らかなように、アベノミクスがすでに破綻しているにもかかわらず、それを糊塗するために「直面する世界経済の危機」をもちだしているにすぎない。前回の総選挙時に消費増税延長をもちだし、その間にアベノミクスで日本経済の好循環を必ずつくりだす、増税の再延期はしない、という公約にたいする明確な違反との追及をかわすために、この理屈はつくられたにすぎない。もっともこうやって平気で嘘をつく首相のこと、今後も再延長の「理屈」をつくり変えることも平気でおこなうだろう。この再延長も参議院選挙の大きな争点に押し出そうとしている。
  そして、旧民主党政権時にかわされた「税と社会保障の一体改革」をも歴史のくず箱に投げこんだ。
  なによりも、社会保障や税の収支の安定を、所得の再分配もせず底辺層に一番負担が大きい消費税の増税でおこなうとしたことに大きな問題があるのだ。
  自分の失敗を世界経済のせいにするという、まことに「理屈と膏薬はどこにでもつく」ことを安倍首相はみごとに証明してみせた。

 日本経済の好循環をつくり出すはずのアベノミクスが、格差や貧困、生活破壊を日日つくり出しているのが現実だ。
  「日本を企業が世界で一番活動しやすい国にしていく」ことを安倍首相は究極の目的としている。大企業が儲ければ末端の貧乏人にまでその利益は及ぶ、というのが安倍首相の持論だが、そうはなっていない。しかも消費税8%によって、実体経済は冷え込み、労働者の賃金もアップしていない。
  この参議院選挙用に安倍首相が打ち出してきたのが、「一億総活躍社会」だが、そこには大企業を活動しやすい国にするための処方がちりばめられている。女性、高齢者をはじめ国民各層をこれまで以上に労働力として動員しようとしている。そして、女性は労働者を生み育てる道具としかみない視点で貫かれている。かつて、戦争遂行のために総動員体制がとられたが、戦前回帰をめざす安倍首相によって同じことがくり返されているにすぎない。しかも、アベノミクスでは産軍学複合体をつくりだし、人殺しのための兵器輸出まで実行されようとしている。
  選挙前になると、何の財政的裏付けもなく、非正規の労働者には正規にしてやる、賃金が低い労働者には賃金を上げてやる、「同一労働同一賃金」を実施し、最低賃金を引き上げてやるなどと労働者に甘言を弄している。労働者のさまざまな権利を奪い、非正規を永続化させ、格差・差別を拡大しているのは、じつは安倍首相みずからなのに、選挙前になると表情を一変させ嘘をついていることを私たちはあらためて明らかにしなければならない。
  そして、選挙に勝つと、信任を得たのだからとフリーハンドで政策を展開し、「戦争をする国」づくりへまい進する。憲法改悪こそ安倍首相の狙いなのだが、公約には争点を隠すように最後に少し書かれているだけだ。
  「戦争法」廃止で合意し、32の全1人区に野党の統一候補ができたことを野合と批判するが、安倍首相の「改憲のため」どんな野党とでも手を結ぶことこそ、無原則な野合ではないか。
  安倍首相の嘘にもとづくさまざまな政策の問題、たとえばTPPなどの一連の公約の嘘も徹底して暴露しよう。

 米田富さんが高校生の集会でも語っていたのは、「部落民だということが明らかになっても差別されない社会の実現が部落解放」だということだった。だが、しかし、残念ながらこうした社会は実現していない。にもかかわらず、部落の所在地、住民の名前、職葉などを拡散しても問題はない、として「全国部落調査」の復刻版を「部落地名総鑑の原典」として発行・販売をはかろうとしているのが、鳥取ループ・示現舎を名乗る者たちだ。
  こうしたことの差別性を示しながら、差別は社会悪であることを明確にする法律、人権が侵害されたときに救済する制度・法の制定をかちとろう。また狭山再審の実現やそれぞれの地域での部落解放のための諸施策の実現をめざして、この参議院選挙を契機に選挙区・比例区の推薦候補をはじめ、部落内外の多くの人びとに訴えていこう。
  とくに18歳選挙権獲得後はじめての選挙であることもふまえ、若い層にもよびかけていこう。
  総力をあげたとりくみで参議院選挙に勝利し、安倍政権を打倒し、首相の狙う改憲を阻止し、格差拡大と貧困を生みだす経済政策にストップをかけよう。


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