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NEWS & 主張
公正採用違反に
指導怠るハローワーク
「解放新聞」(2016.07.18-2771)
【神奈川支局】在日フィリピン人のAさんは、2013年3月、県立高校を卒業後に小学生の時の担任だった先生Bさんの助言を受けて、5月にハローワーク藤沢の紹介で茅ヶ崎市内のゴルフ場経営会社・Sの求人に応募。採用選考の面接で、担当者から「国籍」「家族構成」など公正採用の基準に違反する質問を受け、その結果、不採用になった。
  Bさんからの相談を受け、不適正事案対応システムに乗せ、卒業した高校から県教育委員会を通じて神奈川労働局に報告し、ハローワークから会社を指導してもらうことにしたが、会社側が「国籍・家族等の質問はしていない」と回答すると、ハローワークは、これ以上の指導はできないという対応だった。これが高校生の就職のさいの不適正事案の対応の現状だ。
  そこで、外国人市民との共生社会をめざす神奈川連絡会議、かながわみんとうれん、神奈川人権センター、県連の4団体があらためてAさんから面接時の詳細を聞き、神奈川労働局の担当者にもAさんの訴えを聞いてもらった。そのうえで再度、労働局からハローワークによる会社への指導を要請した。
  だが、ハローワークは「これ以上の指導はできない」と回答。4団体の代表が会社側に話しあいを求めたが、「会う必要もない」と拒否。その後も会社側に話しあいの要請書をだしたところ、代理人弁護士名で話しあいを拒否する回答書が届いた。そのなかで「採用面接時、家族のことが話題になったことはあります」「ハローワークにたいしても当初より上記の事実経過を報告」「指導を受けた事実もありません」と明らかにした。
  このため再度、4団体でハロワークに会社への指導を要請し、「あらためて指導をおこない、会社は、それを受け入れた」と回答があった。だが、会社側は4団体が申しいれたAさんへの謝罪については無視。3月18日には内容証明郵便で抗議文を送付するとともに、4団体で今後も会社の社会的責任を問いただしていくことにしている。

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