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部落か問い合わせ~区役所に電話して発覚
不動産会社A社土地差別調査事件

「解放新聞」(2017.10.02-2829)

 【東京支局】 不動産会社のA社土地差別調査事件の事実確認会が8月17日、東京・人権プラザでひらかれた。会社側からは持ち株会社の取締役、A社社長、常務取締役と社員が参加。部落解放同盟からは中央本部の大西中執、都連から長谷川三郎・委員長をはじめ三役などが出席した。

 事実確認会では、事件の内容、発覚の経緯、顧客の差別意識、社内の人権研修状況などが明らかになった。

 この土地差別調査事件は、5月8日、江戸川区にA社の営業店から「お客様から○○地区が同和地区ではないか調べたいといわれている。○○地区は同和地区か」と問い合わせの電話があり、発覚した。

 営業店の社員は顧客と電子メールでやりとりをしており、その顧客は「街のことを調べたら○○が昔からある地域だと知った」「あまり大っぴらには聞けないことだが、西日本では未だ敬遠するので家族・親戚などの影響もあり尋ねた」。昔からある地域とは「いわゆる昔部落と言われた地域のこと」「自分で調べたところ、どうも該当しているような気がする」などと取得したい物件の所在地が部落なら排除する差別意識が明白であった。

 このような顧客の差別的要望にたいして、社員は、それが部落差別であることを認識できず、江戸川区に問い合わせをした。その社員は部落問題について学校で習った気がする程度の認識で、社内研修もおこなわれていなかった。

 A社が所属するグループ会社はコンプライアンス宣言をしており、社員の行動規範のなかで「私たちは差別やハラスメントなど人権を侵す行為を決して許しません」としていたものの、この行動規範を現実のものとする「推進体制」や「人権研修」などは整備されていなかった。A社は反省の意を示しており、「再発防止」をふくめて継続して話し合いをおこなっていく予定だ。

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