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NEWS & 主張

今後の課題を確認(敦賀市)、若い世代への啓発へ(石川県)、
差別を許さない意思を(金沢市)
北陸で行政交渉

「解放新聞」(2019.02.11-2894)

今後の課題を確認〜啓発、隣保館などで意見交換(敦賀市)

 敦賀市交渉は1月18日午後、敦賀市の福井県敦賀合同庁舎でおこない、團田敦史・地域福祉課長(市内唯一の隣保館長を兼務)ら9人が出席。福井県の山口実・人権室長らも同席した。部落差別の現実に背を向け続けてきた姿勢に変化がみられるようになった。

 この間、08年に市内で発覚した差別事件を受けて交渉を重ね、市は15年、市長をトップに「人権施策推進本部」を設け、「人権施策基本方針」を17年に改訂したが、「部落差別解消推進法」をふまえた内容になっておらず、施策の具体化を求めてきた。今回は、「推進法」にもとづく市の施策計画(昨年4月策定)にそってすすめてきた施策の説明を求め、今後の課題の確認へ①人権啓発の課題②隣保館活動の内容③実態調査の実施、を焦点に交渉した。

 ①では、市民への\_c12070啓発手法や機会の検討が課題」とする市の回答にたいし、地域ごとに啓発組織をつくるやり方もあると提案した。

 ②では、隣保館は「市の方針を具体化する拠点」、とりくみを「強化するために隣保館の人員を1人増した」という回答にたいし、予算面の強化や、「(市長部局の)地域福祉課と隣保館の役割分担の整理を」などと提起。隣保館の活動実態で明確な回答がなかったため、予算面をふくめて後日の報告を求めた。

 ③では、地区住民の実態把握は「地区の方の理解と協力が必要。慎重に調査すべき」、市民意識調査は「市総合計画の改定時期にあり、それにあわせたアンケート調査も考えられる」と回答。着実な実施を求めた。

若い世代への啓発へ〜「推進法」の制定ふまえ(石川県)

「部落差別解消推進法」制定から2年、若い世代への啓発など課題を確認した(2018年11月22日・石川県)

「部落差別解消推進法」制定から2年、若い世代への啓発など課題を確認した(2018年11月22日・石川県)

 石川県交渉は11月22日午前、県庁でおこない、東高士・総務部長ら12人が出席。①「推進法」制定後の施策の特徴②意識調査分析結果③「全国部落調査」復刻版出版事件への対応④ネット上に氾濫する差別情報への対応⑤同和地区問い合わせ問題⑥部落問題にかかわる教育実践⑦公正採用選考、などで交渉した。

 ①では、県の啓発冊子の修正・見直し、人権教育啓発推進センターの啓発冊子の購入・配布、など周知に努めてきた、課題は「部落差別問題への関心が低い20〜40代の若い世代に向けた周知と啓発」など回答。

 ②では、県民意識調査結果の「特徴と分析」についての「人権教育・啓発行動計画」の不適切な表記(2833号既報)をめぐり、これまでの議論をふまえない回答だったため、「生活が苦しいから人権問題に関心がないというとらえ方に問題がある」「20年間啓発にとりくんで認知度がなぜ0・8ポイントしか高まらないか(部落問題への認知度。93年62・8%→03年65・8%→13年63・6%)」など指摘し、他府県にも学ぶよう提起。部落問題をテーマにした職員の初任者研修もないため、「職員を率先して啓発を」と要請。推進委員の設置も提案した。

 ③では、▽口頭で法務局に削除要請した▽県内の研修会等でとりあげた▽県民に周知、などの回答にたいし、なぜ文書で要請できないのか、現に削除されていない、など指摘した。

 ④では、モニタリング事業は「先進県の実施方法やとりくみの成果などをふくめ勉強させてほしい」と。

 ⑤では、▽昨年5月末ごろ、人権担当課ではない課へ同和地区の問い合せ電話があり、「わからない」と答えたところ電話は終わった。人権担当課に報告されていなかった▽庁内連絡体制や事案の対処法の再確認・徹底を依頼した▽「わからない」などの回答は不適切。市町の担当者会議でこの事例を紹介し、連絡体制と対応をお願いした▽先月再調査したが、この事案以外に把握していない、など回答。事実関係の把握は不十分で、また、策定した対応マニュアルも示されなかったため、あらためて意見交換することとした。

 ⑥では「個個の事例は集めていない」と回答。各校の年間指導計画の実情把握など可能では、と提案した。

 ⑦では、公正採用選考の意義などは「生徒に十分に浸透していると思う」とする根拠のない回答だった。

差別を許さない意思を〜ネット上に氾濫する情報に(金沢市)

 金沢市交渉は11月22日午後、市庁舎でおこない、丸口邦雄・副市長、長谷進一・市民局長、中坂暢江・人権女性政策推進課長ら13人が出席。①「推進法」制定後の施策の特徴②復刻版出版事件とネット上に氾濫する差別情報への対応③同和地区問い合わせ問題への対応マニュアル④部落問題にかかわる教育実践⑤本人通知制度、などで交渉した。

 ①では、教育・啓発の充実、相談体制の充実に積極的にとりくんできた、部落問題へ市民の理解をいかに効果的に深めるかが課題、と回答。市から働きかけて部落問題をテーマとした3回の人権出前講座を実施したことも報告された。

 ②では、市にかかわる差別情報の削除要請は「いまのところしていない。引き続き状況を見きわめたい」と回答。「部落探訪」を例に、緊張感をもった対応と、人権啓発にとりくんでいる市の意思を法務局・法務省に示すよう求めた。

 ③では、市は、対応マニュアルを作成したと報告。しかし、問い合わせの意図・目的を問う内容になっておらず、また、他部署で対応した場合に会話の内容をふくめて人権女性政策推進課に報告する内容になっていないこともあり、再検討を求めた。

 ④では、全中学校に歴史教材のDVDを配布し、活用した指導案を示した、全教員にとりくんでもらえるように道徳の指導案も示した、と回答。指導案の作成を評価し、また、部落問題にふれることをためらう声がある現状の克服も念頭にとりくむよう要請した。

 ⑤では、現行の被害告知型から事前登録型への変更は「慎重に研究したい」という回答にとどまった。

 

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