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「子孫には屈辱」と批判〜琉球遺骨返還訴訟で
京都

「解放新聞」(2019.07.15-2915)

報告集会で丹羽弁護団長が原告5人全員の意見陳述を勝ちとるとのべた(5月17日・京都市)

報告集会で丹羽弁護団長が原告5人全員の意見陳述を勝ちとるとのべた(5月17日・京都市)

 【京都支局】 盗掘した遺骨の返還を京都大学に求めている琉球民族遺骨返還請求裁判の第2回口頭弁論が5月17日、京都市・京都地裁でおこなわれ、80人が参加した。

 原告弁護団が準備書面の要旨を陳述。琉球では古来から風葬であり、墓のなかに数数の先祖の遺骨とともに安置されるため、どれが誰の遺骨かは特定できない。それを特定せよという京大の主張は琉球の葬墓制への無理解だと指摘した。祭祀継承者が途絶えていたという主張には、現在も今帰仁上(なきじんぬぶい)りという巡拝がおこなわれていると批判。盗掘でないというならどのような手続きだったのか、返還交渉で龍谷大学の松島泰勝・教授の閲覧申請を拒否した理由の「資料の取扱いの熟達度」は、どのように認定し、どのような規定が根拠か、などと釈明を求めた。

 原告の玉城(たまぐしく)毅さんは意見陳述で「夫婦で参拝していたが、祖先の遺骨がないと新聞報道で知り、原告になった。子孫にとっては屈辱であり、学問のためというが、他人のものを盗んでも許されるのか」と批判した。

 京都弁護士会館でひらかれた報告集会にも80人が参加。丹羽雅雄・弁護団長は原告5人全員の意見陳述を勝ちとるとのべ、弁護士3人が準備書面の解説をした。

 次回の口頭弁論は8月30日午後2時から。

 

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