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主張

 

第77回全国大会の成功に向けて、
運動方針案の活発な論議をすすめよう

「解放新聞」(2020.01.27-2940)

 3月3日から開催する第77回全国大会に提案される一般活動方針案がまとまり、2月の第4回中央委員会での論議をふまえ、修正、補強される。都府県連や支部でも意見を集約し、大会の討議のなかで、方針案をさらに豊富化してもらいたい。

 方針案で強調されているのは、憲法改悪策動の強まりなど、この間の人権や平和をめぐる国内外の危機的情勢をふまえた、差別や戦争に反対するとりくみの強化である。年明け早早には、米国のトランプ大統領の命令によって、イラン革命防衛隊ソレイマニ司令官が無人機の空爆で殺害された。イラン側もイラク国内に駐留する米軍基地に報復攻撃をするなど、中東情勢は戦争状態ともいえるほどに激化している。こうした緊張が高まるなかで、テヘラン発のウクライナ航空機が誤爆される惨劇もおきた。国際社会は米軍の攻撃を厳しく批判するとともに、イラン側の報復攻撃などへの自重も求めている。

 安倍首相は、昨年末に自衛隊の中東地域への派兵を閣議決定し、米国主導の「有志連合」に同調する姿勢を明確にしてきた。「調査・研究」を目的にした派兵としているが、実際は米軍への後方支援もふくめた憲法違反の軍事行動そのものである。憲法改悪に固執する安倍首相は、「戦争をする国」づくりをすすめるために、「戦争法」(安保法制)を強行成立させた。しかし、昨年の参議院選挙では、改憲発議に必要な3分の2の議席を確保できず、自民党の単独過半数も実現できなかった。こうした政治情勢にもかかわらず、安倍首相は「国民から信託を受けた」と強弁し、年頭所感などでも任期中に憲法9条に自衛隊を明記することを中心にした改憲への決意を表明している。

 憲法改悪を許さない闘いは、人権と平和、環境を守り、民主主義の確立をめざす部落解放運動の中心的な課題である。広範な人びととの連帯・協働のとりくみをすすめ、安倍政権による憲法改悪を断固阻止するために全力をあげよう。

 軍事的緊張が激化する中東情勢だけでなく、世界各地で異議申し立てのデモや抗議行動が長期化している。香港では、犯罪容疑者を中国本土に移送することを可能にする「逃亡犯条例」改定に抗議した反対デモは、警察の過剰警備、中国からの政治的圧力への反発のほかに、高い失業率などを背景に長期化している。しかも昨年11月の地方議会にあたる香港区議会議員選挙では、デモ支持派が圧勝し、今年の立法会(国会)選挙の結果しだいでは、中国政府との緊張関係が激化することも今後予想される。

 さらに欧州連合(EU)でも、フランスでは年金制度改革をめぐる国鉄や交通労働者の抗議デモが長期化しているほか、チリ、ブラジル、アルゼンチン、スペイン、エジプトなど、多くの国ぐにで大規模な反政府デモが続いている。こうした民衆の異議申し立ては、チリでの地下鉄値上げ、アルゼンチンの公共料金の値上げなど生活防衛的なものが中心になっているが、その背景には格差や貧困問題が解決せず、失業問題などが長期化していることへの不満、不安がある。

 こうした民衆の不満や不安を背景にしながら、トランプ大統領の掲げる「自国第一主義」のもとでの分断や対立が深刻化している。米中貿易摩擦の激化と、決定的な対立を回避する合意のくり返しによって、世界経済は低迷し、EU圏を中心に民族排外主義政党の伸張もあり、政治的にも経済的にも不安定な社会情況が生み出されている。

 こうした国内外情勢のもとで、人権や平和の課題のいっそうの危機の深まりがある。森友学園や加計学園疑惑、「桜を見る会」での公的行事の私物化問題、IR法(カジノ法)汚職など、安倍長期政権の腐敗が明らかになるなかで、いまこそ、人権や平和、環境を守り、民主主義の確立に向けた政治勢力の総結集が求められている。自省なき安倍政権の退陣は必然である。衆議院解散―総選挙の闘いへ、選挙闘争体制を早急に準備しよう。

 われわれは、反人権主義、国権主義の政治をすすめる安倍政権のもとで、「部落差別解消推進法」制定をかちとり、具体化に向けて自治体での条例づくりをすすめてきた。「ヘイトスピーチ解消法」でも、川崎市では罰則を盛り込んだ条例が実現した。昨年8月には法務省が「部落差別解消推進法」第6条にもとづく国民意識調査を実施している。調査結果の分析をふまえて、今後の部落問題解決に向けた施策が提示されることになるが、都府県段階でも同じ設問での調査ができるように、行政交渉を強めていこう。

 また、インターネット上の差別情報をはじめ、結婚差別など、いまだに深刻な部落差別の実態がある。こうした部落差別の実態を広く訴えるとともに、個別人権課題でのとりくみとも連携を深め、国内人権委員会創設を中心とした人権の法制度確立に向けて中央―都府県実行委員会運動を強化しよう。

 インターネット上の差別情報にたいしては、全国的な対策会議で、自治体によるモニタリングの拡大、専門性のある人材育成の促進などを協議してきた。鳥取ループ・示現舎にたいする裁判闘争では、いよいよ口頭弁論が再開される。現実にある部落差別を意図的に無視し、部落解放へのとりくみへの攻撃だけに終始する彼らの差別言動を糾弾し、裁判闘争に勝利しなければならない。

 また狭山再審闘争では、万年筆、筆跡に関する科学的な手法で石川一雄さんの無実を明らかにしている。全国各地で住民の会や共闘会議などと協力して、学習会や情宣活動を強め、事実調べ―再審開始をかちとるために全力をあげよう。

 運動方針案では、こうした部落解放運動の当面の課題の闘いの方向と、2年後の全国水平社創立100年に向けた組織と運動のありようについて、全国的に討論をすすめていくことを提案している。同盟員の減少、高齢化の課題など、都府県連・地区協議会・支部での率直な討論を要請し、集約をすすめ、これからの部落差別撤廃に向けた闘いの方向を共有していくことが求められている。

 全国水平社創立いらい100年の苦闘を総括し、次代の部落解放に向けた道程をしっかりと明示するために組織内外での討論をよびかけたい。第77回全国大会では、こうした大きな節目を見据えた、全国各地での実践をふまえた活発な討議をもとに、部落解放に向けた展望を大きく切り拓いていこう。

 

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