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NEWS & 主張

地域共生社会へと 〜隣保館のいっそうの充実を
厚労省交渉

「解放新聞」(2021.06.15-2993)

生活・福祉の分野で厚生労働省と交渉をおこなった(5月11日・東京)

生活・福祉の分野で厚生労働省と交渉をおこなった(5月11日・東京)

 生活・福祉分野の厚生労働省交渉を5月11日午後、省内でおこない、生活福祉運動部の山﨑部長、植村、鶴岡の両副部長をはじめ7人が参加。省は社会・援護局の田仲教泰・地域福祉課長をはじめ老健局、子ども家庭局、職業安定局などから担当者12人が出席した。

 山﨑部長は「生活福祉のテーマは幅広い。課題の解決へ、おたがいに情報共有し、すすめたい。連携を密にとりくみを」とあいさつ。

 田仲地域福祉課長は「同和問題の早期解決には、憲法に定められた基本的人権の尊重という観点がたいへん重要」「地域共生社会の実現をめざしとりくんでいる」「社会福祉法を改正し、重層的支援体制整備事業を創設し、市町村での包括的な支援体制づくりをすすめている」と報告し、「隣保館の役割はますます重要。人権課題解決、地域福祉推進のとりくみをいっそう充実させたい」と語った。

 部落差別の実態認識やとりくみ方向では、省は、就職差別撤廃のとりくみや「推進法」6条の実態調査結果、隣保館関係などを報告。同盟からは「同和問題」ではなく「推進法」をふまえた表現をと要請。省の研修実施計画の策定も訴えた。

 隣保館については、省は予算状況や「「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」で重点的にとりくむ社会福祉施設等の耐災害性強化対策に、隣保館の耐震化整備等も盛り込んでいる」などと報告。また、「地域福祉計画」への位置づけにかかわり「隣保館は間違いなく地域福祉の重要な担い手。3月の会議でも自治体に伝えた。重層的支援体制整備事業でも当然活用するべき。地域福祉計画でも当然」とした。コロナ禍の運営については「新しい生活様式をふまえ、生活上の各種相談事業、人権課題解決のため、ひき続き日常生活に必要な支援などのとりくみを」などと語った。

 同盟からは、災害の危険区域にある隣保館や、避難時の差別、コロナ禍で隣保館を閉める自治体などの問題を指摘。ボランティアへのPCR検査受診支援や、デジタル化、ネットに差別情報を流す確信的な差別者への対応などを訴えた。

 部落の生活困窮者については、生活保護の対象にならずにいる年金生活者の厳しい生活を指摘。ひとり親家庭支援では「隣保館を含め、利用しやすい場所での事業実施を周知」という回答にたいし、貧困の連鎖の視点の重要性も訴えた。

 「介護保険法」改定では、要介護者になっても「介護予防日常生活支援総合事業」のサービス利用が継続できることや介護従事者の処遇改善、担い手育成で意見交換。研修強化も訴えた。

 民生委員や児童委員、社協職員の研修では「忌避意識や差別意識があると共生社会は実現しない」と指摘し「困った人ではなく、困っている人という認識が共生社会への一歩」と訴えた。

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