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福山市が「条例」施行 〜人権尊重のまちづくりへ
広島

「解放新聞」(2021.11.05-3007)

 【広島支局】 福山市議会は「福山市人権尊重のまちづくり条例」を9月28日に可決。9月30日に公布・施行された。

 前文に「性別、年齢、障がいや疾病の有無、社会的地位や生まれ、民族、国籍、性的指向及び性自認などを理由にした様々な差別や偏見が今もなお存在している」「全ての人が基本的人権を持っているかけがえのない個人として尊重される社会をつくっていくためには、市民一人一人が、様々な人権問題について正しく理解した上で、差別を許さない、差別を解消していくという意識を持ち、かつ、行動に移さなければならない」と明記し「差別のない、誰もが真に大切にされる人権尊重のまちづくりを推進していく決意」と制定の意義を明らかにしている。

 第4条には「人権施策を総合的かつ計画的に推進しなければならない」と市の責務を、第5条と第6条には、「市が実施する人権施策に協力するよう努めなければならない」と市民と事業者の役割を明記している。

 福山市協は、「部落差別解消推進法」制定を機に部落差別撤廃条例の制定を求め、2019年からは、人権条例制定をめざす実行委員会(人権啓発推進連絡協議会、身体障がい者団体連合会、人権啓発企業連絡会、自治会連合会、母子寡婦福祉連合会、セクシャルマイノリティ協会、福山市協、の7団体で組織)で市・市議会に要請。市議会本会議でも池上文夫、小山友康の両組織内議員が部落差別の深刻な実態を訴え、市長の見解を問い、検討をすすめると答弁を引き出した。

 条例は、理念条例。市長の諮問を受け、福山市人権施策推進審議会で「人権施策に関する基本的な方針(基本方針)」などが検討される。審議会委員には「人権関係団体を代表する者」をふくめると第11条に明記されており、差別がもたらす人権侵害と不利益を解消する施策の具体化に向け、大きな役割が期待される。

 あらゆる差別の撤廃をめざす条例の制定を求めてきた運動の成果として、市議会の採決では、「条例」制定に反対したのは、差別煽動を続けている議員一人だけだった。その議員以外は、全会派が賛成した。

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