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ネット差別の解消へ 〜大阪市と政策懇談会
大阪

「解放新聞」(2022.01.15-3014)

「人権施策の推進にとりくむ」とあいさつする朝川副市長(2021年12月8日・大阪市)

「人権施策の推進にとりくむ」とあいさつする朝川副市長(2021年12月8日・大阪市)

 【大阪支局】 府連と大阪市との政策懇談会を昨年12月8日、大阪市役所でひらき、市からは朝川晋・副市長、山本晋次・教育長ら幹部が出席。府連からは赤井隆史・委員長ら執行部と大阪市内ブロック各支部の代表が参加した。

 朝川副市長は「ネット上での誹謗中傷や差別書きこみ、コロナ差別など新たな人権侵害への対応が求められている。いかなる人権侵害も許さない視点で人権施策の推進にとりくむ」とあいさつ。

 赤井委員長は「全国部落調査」裁判の判決について「個人のプライバシー侵害は認められたが、部落差別をしたことについての踏み込みが弱い。自治体段階での規制には限界があり国で規制をかける法律が必要だ」と指摘。「社会的に厳しい生活実態にある人が住んでいる部落のコミュニティをどう再生させるのか、しっかり意見交換をさせていただきたい」などと強調した。

 北田一志・財務委員長が懇談会のテーマを説明したあと、朝川副市長、山本教育長が回答。おもな内容は▽プロバイダ等にたいする削除要請を大阪法務局におこなっているが、削除するかどうかはプロバイダの任意に委ねられており、国レベルでの対応が必要。ひき続き法的措置をふくめた実効性ある対策を国に要望する▽学校選択制については一部に校区外を選択する児童生徒の割合が高い学校があることを認識している。各区で調査・分析を実施。来年度に大阪市全体での検証につなげる▽部落問題学習についてはすべての学校で部落問題をはじめさまざまな人権課題を学び、みずから考え、差別を許さない感性を持つ子どもたちを育てていくことが重要。実践資料集を教職員ポータルサイトに掲載し、各校での実践に活かせるよう周知している。▽市営住宅での住民自治については、高齢化の進行などにより、共益活動に支障をきたすといった課題が生じてきている。本年4月から指定管理者制度を導入し、共益活動への支援サービスを開始しており、必要に応じて情報共有や改善指示をおこなう。

 これらの回答にたいし、府連からは、▽モニタリングでの情報収集やヘイト条例での名前公表など一歩踏み込んだとりくみを▽差別事象への対応で、職員が差別と見抜けない問題がある▽学校選択制については、住所地から指定された学校をなぜ選ばなかったのかの調査も必要▽夜間中学が廃止され、遠くなると通うことが難しい生徒が多数存在する、などと問題提起した。

 また、市営住宅の申し込みで差別的な発言が多発しているとの報告もあり、実態把握を求めるとともに、学校選択制については制度のゆがみこそ検証すべき、などと指摘した。

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