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NEWS & 主張

町議会で部落差別発言 〜議員研修会を実施
神奈川県葉山町

「解放新聞」(2022.02.15-3017)

第1回議員研修会で講演した久保田宏・神奈川部落史研究会副会長(2021年10月22日・神奈川県葉山町)

第1回議員研修会で講演した久保田宏・神奈川部落史研究会副会長(2021年10月22日・神奈川県葉山町)

 【神奈川支局】 昨年6月にひらかれた葉山町議会議会運営委員会で、A議員が前後の脈絡とまったく関係なく「同和問題と暴力団の関連性は高いと思っている」と発言した。あたかも同和問題が暴力団と同一視できるかのような発言でありながら、議会運営委員長はその発言を受けて「今後の課題」と発言。この一連のようすがインターネット上のYouTube(ユーチューブ)で流れ、多くの町民が知ることとなり、部落差別事件として発覚した。県連には、この発言を部落差別と見抜いた当該議会の議員から連絡があった。

 昨年7月2日、県連として行政と議会にたいして、「「暴力団との関連性は高い」という発言は、「同和問題」があたかも反社会性をもった「問題」だと考えていると受けとめる。それも議会運営委員会というきわめて公共性の高い場での発言であり、その影響は大きなものであり、被差別部落出身者を傷つけた。部落差別の撤廃を目指して闘ってきた私たちにとっては、見過ごすことはできない」と見解を伝えた。そのうえで議会にたいしてA議員の発言内容がいかなる人権侵害なのか、議会としてどのような態度をとっていくのか、と申し入れた。また、行政にたいしても同和・人権研修を検証するよう申し入れた。

 両者から「申し入れに対する見解」が提出されたが、当事者と向き合う姿勢が不十分であることを指摘し、議会は部落問題の議員研修を確約した。行政には今後の「人権行政の指針」作成に向け、研修などの作業をおこなうよう要請した。

 町議会は要請を受け、全議員を対象にした研修会を計画。「人権と差別について考える」をテーマに、3回の企画で、第1回は昨年10月22日、神奈川部落史研究会の久保田宏・副会長が講師になり、「被差別部落の歴史と現状」をテーマに語った。

 2回目は昨年11月18日、神奈川県連の根本信一・委員長が講師になり、「部落差別の現状と課題」をテーマに語った。このなかで「この差別発言という不幸な出会いが、今後のとりくみによって、いい関係に逆転することを願っている。社会を変えるのは政治の役割だと思うので、議会のなかでも人権問題にきちんと向き合って、葉山町らしい人権指針をつくってもらいたい」とのべた。

 第3回目は1月26日、ハンセン病回復者の石山春平さんを講師に実施。

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