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NEWS & 主張

水平社100年 人権のふるさとに 〜柏原に息づく水平の魂を次世代に
水平社博物館リニューアルオープン

「解放新聞」(2022.03.25-3021)

リニューアルした展示をみる地元柏原の同盟員ら(2月25日・奈良県御所市など)

リニューアルした展示をみる地元柏原の同盟員ら(2月25日・奈良県御所市など)

 水平社博物館(奈良県御所(ごせ)市柏原)は全国水平社100周年にあわせ、館内の展示内容を全面改装した。「人権のふるさと」として1998年に開館した同館にはこれまで35万人が来館。そのうち4分の1をしめるのが人権学習で訪れる小中高校生だ。その若い世代に向けてこれまで以上に親しみやすい展示となるよう、水平社創立からの部落解放運動をたどる史・資料とともに人気漫画や音楽の歌詞などを織り交ぜて約250点を展示する。駒井忠之・館長は「部落差別だけでなく、性的少数者やアイヌ民族などへの差別の問題や、ヘイトスピーチをはじめとする人権問題に興味をもち、みずから学ぼうとしてもらえることを重点においた」と語った。

 リニューアルオープンに先立ち、2月27日には、公益財団法人奈良人権文化財団の川口正志・理事長(奈良県連委員長)ら理事が記念セレモニー・テープカットをおこなった。来賓として、荒井正吾・県知事、吉田育弘・県教育長、東川裕・御所市長ら、中央本部から西島書記長、奈良県連から伊藤満・書記長が出席。また2月25日には、地元協力会と県連柏原支部員らが同館向かいの人権のふるさと公園内に設置した案内板除幕式にとりくんだ。内覧会は、新型コロナ感染症対策のため、観覧者を日ごとに分けて実施された。

 川口理事長は、「ここ柏原で息づいた水平の魂をつぎの世代に引き継いでいきたい。元来、人権の話は明るく楽しいもの。子どもたちがそういったことを感じ、学ぶ博物館に」と展望をのべた。

 水平社博物館は2016年に世界各国の98の人権にかかわる博物館でつくる国際人権博物館連盟に国内ではじめて加盟。世界に全国水平社の思想を広める活動にも力を注いでいる。

 今回のリニューアルでは、水平社の理念につうじる国連が提唱するSDGsについても解説している。(詳報掲載予定)

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