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とめよう!戦争への道 めざそう!アジアの平和 〜2022春 関西のつどい
大阪

「解放新聞」(2022.05.15-3027)

集会後は会場から1.5kmほど離れた扇町公園まで横断幕やのぼりを掲げシュプレヒコールしながらデモ行進した(4月17日・大阪市)

集会後は会場から1.5kmほど離れた扇町公園まで横断幕やのぼりを掲げシュプレヒコールしながらデモ行進した(4月17日・大阪市)

 【大阪】 「とめよう!戦争への道 めざそう!アジアの平和 2022春  関西のつどい」が4月17日午後、大阪市・エルシアターでひらかれ、600人が会場を埋めた。主催は大阪教組など4団体による同実行委。集会後は扇町公園までデモ、沿道に向かって「武力で平和はつくれない!」「憲法9条を変えさせない」などとアピールした。

 しないさせない戦争協力関西ネットワーク共同代表で弁護士の中北龍太郎さんが主催者代表あいさつ。ロシアによるウクライナ侵略は国連憲章違反の領土と主権の侵犯で、核戦争の危険性を日に日に高める一方、この危機に便乗して日本では核共有や敵基地攻撃能力はじめ日米軍事同盟の強化と軍拡、9条改憲の加速と緊急事態条項の準備がすすんでいる、と強く批判した。いまこそ武力なき平和の実現をめざす平和憲法の前文と9条を輝かせるとき、世界の民衆と連帯し、一日も早い撤兵を求める声を高めよう、とよびかけた。

 その後、早稲田大学法学学術院教授の水島朝穂さんが「なぜ憲法を変えてはならないのか」、新聞うずみ火・代表の矢野宏さんが「維新は憲法の何を変えようとしているのか」と題し、それぞれ講演した。

ウクライナ侵攻に便乗して危機が煽られるなか集会では水島朝穂さん(写真)と矢野宏さんが憲法をテーマに講演した(4月17日・大阪市)

ウクライナ侵攻に便乗して危機が煽られるなか集会では水島朝穂さん(写真)と矢野宏さんが憲法をテーマに講演した(4月17日・大阪市)

 水島さんは最初に、歴史を知らない表面的な発言があふれる現状を批判。戦争の語は1928年の「不戦条約」以降、国際法上は死語となり、プーチンはウクライナへの特別軍事作戦、国連憲章にもとづく集団的自衛権の行使を宣言した。どの国も憲法が軍事力行使を縛る。ロシアはプーチンが憲法を変えて戦争をはじめた。だから日本は9条を変えてはならないのだと強調し、「改憲は戦争への道」をロシアを例に実証した。ウクライナは人口4160万人で小国ではなく、旧ソ連時代にはロシアと一体的であり、軍事力も強い。ロシアは人口2億8000万人の大国ソ連からほぼ半減、14の国と接する2万㎞の国境を90万人の兵力、陸軍33万人で守る。政治的には2020年の憲法改正で反民主主義化する。ロシアで憲法を変えるには改正、修正、変更がある。プーチンは統治機構に関する憲法修正を国民投票にかけ、78%の賛成で大統領権限や愛国主義を強化する多数の改正を一括で実現し、戦争へのハードルを下げた。自民党の改憲案は9条だけでなく基本的人権にもおよぶ。9条の規範力と前文を再評価し、平和を愛する民衆としてふみとどまることを訴えた。

 矢野さんは、どこの国も敵としない平和外交こそが最大の安全保障だとのべ、大阪府議会や市議会でやりたい放題の大阪維新の会、国政では日本維新の会(以下、維新)が改憲で何をめざしているかを解説。維新が参院選の公約にするという緊急事態条項は内閣に強大な権力を与え、国家を守り、人権を制限する。歴史的には世界でもっとも民主的といわれたドイツのワイマール憲法下で、ヒトラーが第48条の緊急事態条項を2回使って全権委任法を強行採決したことを指摘。大規模災害時には緊急事態条項ではなく正確な情報が必要だが、権力を監視し、声なき声に耳を傾けるべきジャーナリズムが衰退している危機的状況を強調した。参院選が近づくなか真実を見きわめるため、だまされたらあかん、忘れてもあかん、あきらめてもあかん、の言葉を共有しよう、と結んだ。

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