「解放新聞」(2025.0625-3142)
狭山事件の第4次再審請求で第1回三者協議が6月10日、東京高裁(第4刑事部、家令和典・裁判長)でおこなわれた。狭山事件再審弁護団は、今回の三者協議で裁判官が釈明を求めた点について、第4次再審請求書の主張と新証拠の関連などを整理したものを提出することになった。
また、裁判官は、「刑事訴訟規則」286条(「再審の請求について決定をする場合には、請求をした者及びその相手方の意見を聴かなければならない」)にもとづく意見書の提出を、期限を指定せずに弁護団と検察官の双方に求めた。
検察官は、万年筆インクについてのL鑑定(蛍光X線分析鑑定)とスコップについてのF意見書への反論を9月末までに提出するとした。L鑑定、F意見書は、第3次再審請求で弁護団が昨年12月に提出したものを、あらためて第4次の新証拠として提出していたもの。第3次再審請求の第64回三者協議(3月4日、3134号既報)では、検察官はL鑑定、F意見書にたいする反論を5月なかばまでに提出するとしていた。弁護団からは、検察官の意見書提出は迅速に対応してほしいと要望した。また、証人尋問の実施を裁判官にあらためて求めた。
次回の三者協議は10月中旬の予定。
第1回三者協議に弁護団は、竹下政行・事務局長、高橋、小野、近藤、七堂、河村、小島、壬生の各弁護人が出席した。
第3次再審請求は、請求人の石川一雄さんが死去(3月11日、3133号既報)したため、3月17日に手続き終了が決定した。一雄さんの無念を晴らすため、第4次再審請求の準備をすすめ、遺志を継いだ石川早智子さんが4月4日、再審を申し立てた(3135号既報)。7日には、第4刑事部が担当と判明した。第4刑事部は4月以降も裁判官が変わっておらず、家令裁判長をはじめ、この1年半近く審理をしてきた裁判官が、ひき続き担当することになった。
第4次再審請求で弁護団は、第3次で提出した新証拠278点すべてを新証拠として提出。4月11日、「事実取調請求書」を提出し、鑑定人11人の証人尋問を求めた。あわせて筆跡、万年筆、自白に関わる4人の専門家の証人尋問をまず実施するよう求める意見書を提出した。今回の三者協議に向け、5月28日には、その4人の証人尋問を求める申入書を提出した。
狭山第4次再審の闘いでは、いま弁護団が求める証人尋問の実施と再審開始を東京高裁に求めて新100万人署名運動が始まっている。署名用紙は中央本部ホームページからダウンロードできる。寺尾判決(確定判決、東京高裁)から51年を迎える10月31日に向け、各地で石川一雄さん追悼・第4次再審闘争勝利の集会や街宣をおこない、全力で闘おう。さらに狭山再審の経過、「再審法」の不備を訴え、国会への請願署名や地元議会の意見書採択などで「再審法」改正を求めよう。
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