
「解放新聞」(2025.1215-3159)
【香川】 「部落差別をはじめあらゆる差別の現実に学び、真に子どもの人権を尊重する保育を創造しよう」を集会テーマに10月18、19日、丸亀アイレックス大ホールを主会場に第42回香川県就学前人権教育研究集会がひらかれ、保育者など950人が参加した。2日間をとおして、記念講演や八つの分科会で人権・同和保育実践にもとづく学びを深め、反差別の保育内容や保育者集団づくりの重要性についても交流した。第7分科会「人権保育と共同子育て」では、丸亀市立本島保育所から保育所を拠点に家庭・地域と保育運動を広げていく実践が報告された。主催は同集会実行委員会(県人権・同和教育研究協議会、県人権保育連絡協議会)。
開会行事で主催者あいさつをおこなった岡田剛・集会実行委員長(県人権保育連絡協議会会長)は、「子ども・子育て支援法」にもとづく「地域子ども・子育て支援計画」の実施や、子どもの貧困など、子どもや家庭をとりまく状況の変化と人権をはじめとする厳しい社会情勢にふれ、解放保育運動の理念を参加者であらためて確認し、人権を大切にする心と体を育てる就学前人権保育にとりくもう、とよびかけた。来賓として、北山武・香川県連執行委員長、井手下慶博・県健康福祉部子ども政策推進局長、松永恭二・丸亀市長があいさつした。
基調提案では、差別意識を温存・助長する社会のなかで一人ひとりを認め合い、ともに豊かに生きていくという価値観が大切にされていない状況があるとしたうえで、部落差別をはじめあらゆる差別を見抜き、うち勝つ力を育てるとともにすべての子どもたちに人権を大切にする心を育てる保育実践が重要であり、そのための具体的な保育実践が問われている、と提起。
記念講演はインクルーシブ(共生)教育研究所の堀智晴さんが「インクルーシブ(共生)保育・教育を創ろう~ちがうから、豊かになれる~」と題しておこなった。堀さんは、「ちがいを生かす教育は民主主義教育」と提起し、さまざまな違いを理由におこなわれる分離保育・教育は子どもたちが互いに学び合う機会を奪ってはいないか、と問いかけた。堀さんが関わってきた子どもたちの姿や実践のなかでの気づきも交え、保育者自身の子ども観、人間観を問い直す大切さについて語った。

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