
「解放新聞」(2026.3.5-3168)
「三重県職員の国籍条項復活の撤回を求めるネットワーク」(以下、ネットワーク)は2月16日、「三重県職員採用における『国籍要件復活検討』および「みえ県民1万人アンケート」を問う研究者有志意見書」(以下、研究者意見書)をよびかけた研究者らとともに、三重県庁で記者会見をひらき、一見勝之・三重県知事宛てのそれぞれの意見書を提出した。県からは総務部人事課、政策企画部企画課の両課長が対応し、受け取った。
一見知事が昨年12月25日、県職員の採用に関し、外国籍住民を採用しない方向で検討していると会見で表明したことにたいして、ネットワークは、その撤回を求め、部落解放同盟三重県連、三重県在日外国人教育研究会、公益財団法人反差別・人権研究所みえがよびかけて発足した(3163号既報)。今回提出したネットワークの意見書は、昨年12月30日から今年2月13日に募ったもので、人権団体、労働組合、マイノリティ団体、住民自治組織、事業所、宗教団体、PTAなど、県内外から190もの団体が賛同している。
研究者意見書は、有志の研究者らが2月1~15日の15日間、全国の大学等の研究者らによびかけて募ったもの。414人が賛同している。
研究者意見書では、1月から実施されている「みえ県民1万人アンケート」の対象者が、「選挙人名簿」からの無作為抽出であり、外国籍住民が排除されている問題を指摘。また、人の権利に関わる内容を、県民へのアンケートという形で設問にすること自体に問題があり、日本国籍を有するマジョリティによって判断される危険性などを指摘し、「結果を集計すべきではないし、公表すべきではない」としている。
三重県では、「人権問題に関する三重県民意識調査」を実施するさいには、住民基本台帳から調査対象者を無作為抽出しているため、外国籍住民も「県民」とされている。しかし、「みえ県民1万人アンケート」などのさいには選挙人名簿を使い続けている。この手法そのものが差別で重大な問題、と会見で指摘した。
会見後は「三重県職員の国籍条項復活の検討の撤回を求める市民集会」が津市内の三重県勤労者福祉会館でひらかれ、両意見書の提出について報告。そのあと、登壇者や参加者から、これまでの国籍要件撤廃に向けた各地のとりくみや、自身の就職差別体験、これまで在日コリアンをはじめ、外国籍住民が置かれてきた現状や課題などについて報告がおこなわれた。
一見知事が方針を撤回していない状況をふまえ、主催者たちからは、「意見書は提出されたが、このあとも、どのようにとりくみ、撤回をかちとるか。検討を重ねていきたい。ひきつづき、力を貸してほしい」とよびかけがおこなわれた。
三重県知事にたいする意見書や声明、抗議のとりくみは、各所から続いており、法曹界からも国籍要件復活の検討にたいする声明などが出されている。
(寄稿/松村元樹・公益財団法人反差別人権研究所みえ常務理事兼事務局長)

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