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第58回全高・第70回全青で交流し部落解放運動を発展させよう

「解放新聞」(2026.7.25-3182)

 第58回全国高校生集会・第70回全国高校生集会を8月29~30日に山口県でひらく。全国各地から高校生・青年が結集し、これからの部落解放運動の発展につながることを期待する。

 少子高齢化の進行や、若者が進学や就職を機に地域を離れたりすることなどを背景に、部落内の若者が一堂に会したり、自覚や学習の機会が衰退・喪失するなど、各地における実態や課題はさまざまだ。各地の青年部の現状を把握し、とりくみ課題を明らかにするとともに、地域を出た青年ら若者とのつながりなど今日的課題もふまえながら、すべての都府県連での青年部の結成をめざさなければならない。

 また、これまでに全国青年運動部長会議や中央青年運動部会議をはじめ、青年全体で全高・全青のあり方を議論してきた。全高・全青が単独でひらかれていた時期も含め、集会を複数回ひらいている都府県連もあれば、一度もひらいたことがないところもあるなど、大きなばらつきがある。青年部員が減少していたり、青年部がないなど喫緊の課題を抱えている場所へのアプローチとしての集会開催のあり方を議論・模索してきたなかで、山口県で初の開催となったことは、とても意義深いものである。

 ひきつづき議論を継続し、それぞれの地域で活動の活性化をめざしていこう。

 この間、全高・全青の参加者について、年代が上がるにつれ女性の参加割合が大きく減少している状況を大きな課題としてとらえ、「全高・全青におけるジェンダー平等について」と位置づけて議論をすすめてきた。そのなかで、すぐにできるとりくみはないかもしれないが、実態把握のためおこなっていた性別の集計についても議論し、第57回全高・第69回全青では、全体集会で問題提起をおこない、参加者に集会アンケートへ意見や問題意識の回答を求めた。その結果や意見、これまでの経過も含め議論を継続していくとともに、各地での実態把握も必要である。

 今年は、戦後初の衆議院選挙で女性が初の参政権を行使してから80年となる。だが、女性議員はなかなか増えず、また、政治だけでなく社会のさまざまな場面で女性の視点と声が反映されにくい状況は、いまも続いている。世界経済フォーラム(WEF)が毎年発表している「ジェンダー・ギャップ(男女平等)指数」(2025年)でも、日本の順位は148か国中118位で、前年と同位となっている。「男は仕事、女は家事」という意識をはじめとする「性別役割分担意識」もいまだに根強い。差別が差別と認識されず、当たり前に負担や「役割」を強いられている実態があることもふまえながら、各地の実態把握と議論を継続していかなくてはならない。

 狭山事件で62年にわたり無実を訴え続けていた石川一雄さん(86歳)が昨年3月11日、無念のうちに亡くなった。石川一雄さんの遺志を引き継ぎ、第4次再審請求を申し立てた石川早智子さんを全力で支援し、石川一雄さんの手にはめられたままの「見えない手錠」を外すため、狭山再審闘争の勝利を実現しなければならない。

 狭山再審闘争と関わって、「再審法」改正に向けたとりくみも重要だ。えん罪・再審が長引く大きな要因として、裁判所の再審開始決定にたいして検察が抗告(不服申し立て)できることや、証拠の開示を検察が判断できてしまうことがあげられる。加えて、「再審法」(「刑事訴訟法」)では、申立人が死亡した場合についての規定があまりなく、民事・刑事訴訟とは異なり遺族などで原告を承継できず、一般的・慣例的に再審請求審が自動的に終了となるなど、「再審法」にも大きな問題がある。

 現在、参議院法務委員会で審議されている「再審法改正法案」にそれらを盛り込むよう修正させ、本来の目的であるえん罪被害者の迅速な救済を実現させるため、参議院で修正させるよう多くの団体・人々と連帯して声をあげていかなくてはならない。

 また、部落解放運動に携わる若年層の減少や、事件発生から60年以上という長い年月などを背景に、全高・全青集会参加者には、狭山事件を知らない若者も少なくない。部落差別にもとづく権力犯罪であるえん罪・狭山事件を訴え、「石川無実」の世論を広げよう。各地で集会や学習会、情宣行動、署名活動などを展開し、再審開始をかちとるために全力でとりくもう。

 今年は、いまだに部落差別が厳然と存在し、部落差別が許されない社会悪であり、また、インターネット上の差別の実態などがふまえられ、国や自治体での教育・啓発の推進、相談体制の充実など部落差別の解消に向けたとりくみなどが定められた「部落差別解消推進法」制定から10年となる。

 この間、情報化の進展にともなうSNS上の人権侵害が爆発的に増大し、放置され、悪質化・陰湿化していることは紛れもない事実であり、差別助長行為は平穏な生活を脅かすまでにいたっている。こうした現実から「推進法」制定10年を機に強化・改正を求める運動を提唱することが重要であり、6月に開催された第1回中央委員会では、禁止規定の明確化や教育・啓発の充実化などを盛り込んだ改正案が提出・提案され、議論がはじまった。若者という立場でも、自分たちがいま、どういう社会状況に置かれているのか把握・分析しながら、差別の現実を直視し、「推進法」の強化・改正をはじめ、差別撤廃に向けたとりくみをすすめていくことが重要である。

 インターネット上で被差別部落の所在地さらしやアウティング、差別書き込みがあとを絶たないなかで、2016年に出版社を名乗る「示現舎」が被差別部落の所在地一覧の書籍出版を予告するとともに、インターネット上にデータを掲載した、いわゆる「全国部落調査」復刻版出版事件については、「差別されない権利」を認めた東京高裁の勝訴判決が、2024年12月の最高裁決定で確定した。提訴から8年を要し、データの削除と、31都府県での出版禁止、計550万円の賠償は認められたが、原告不在の県について削除が認められなかったことは課題だ。

 さらに「示現舎」らは、ウェブサイトで「部落探訪」(現:「曲輪クエスト」)と称し、被差別部落に潜入した動画などを投稿している。被差別部落の所在地や個人情報をインターネット上にさらし、誰もが容易に身元調査をおこなえる状態を野放しにすることは断じて許されない。「部落探訪」削除に向けた裁判が、大阪、埼玉、新潟で闘われている。埼玉では、2025年12月17日に地裁判決が出され、裁判で訴えていた県内すべての動画・記事の削除が命じられ、「復刻版」裁判の確定判決と同様に「原告の不当な差別を受けることなく平穏な生活を送ることができる人格的な利益が侵害された」として、「差別されない権利」とその侵害が認められた。

 「部落探訪」訴訟の勝利とともに、「差別されない権利」の確立、包括的な差別禁止法の制定につなげるために闘っていかなくてはならない。

 第58回全高・第70回全青に結集しよう。部落差別の現実を語り、そして、知る。差別のない社会を創造するために、自分たちが何をすべきか、仲間と力を合わせることの大切さや自分の生き方を確認し、仲間たちと大いに語り合い、大いにきずなを深め、部落解放―人間解放の夢を語ろう。

 全国各地から高校生・青年の仲間が山口に結集し、活発な意見交換や学習、実践交流をおこない、各地の運動の発展につなげていくことを期待する。各都府県連・支部で、多くの高校生・青年に積極的によびかけをおこない、集会の成功をかちとろう。

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