
「解放新聞」(2026.9.25-3188)
【福井】 県連は8月19日、福井市との意見交換会を市庁舎でおこない、県連から山下敬太郎・顧問、河合徹・委員長はじめ執行部、中央本部から大西、髙橋、平井の各中執が参加。市からは城地俊任・総合政策課長、坂下一博・同副課長はじめ関係部局職員が出席し、県行政から松枝知奈美・人権室長、田端誠・同主任が同席した。
冒頭、河合委員長があいさつで「県が22年に実施した人権意識調査をふまえた施策の推進が重要。具体的には、戸籍などの不正取得防止策の導入、モニタリング制度や、職員や教職員への研修の充実を求めたい。こうした人権政策をしっかりすすめていくためにも、福井市人権条例の制定が必要である」と強く訴えた。
市の回答では、①県意識調査の結果をふまえて、若年層の研修が必要であると認識している。ワークショップ受講者が作成した人権パネルを人権映画上映会のときに展示するなど工夫している②不正取得防止策については、被害告知制度の導入を予定している。ひきつづき、事前登録型の検討もすすめていきたい③モニタリングの実施状況では、昨年度までに報告された差別的な投稿は6年間で28件で、うち9件の削除を確認している④研修については、市職員への階層別研修、教職員への目的別研修に人権問題をとりあげている⑤人権条例については、この間、総合計画のなかで人権尊重を政策の一つとして定め、「人権教育・啓発方針」にもとづき、教育・啓発活動をおこなっていることが報告された。
また、部落の所在地などに関する問い合わせを受けたときの対応マニュアルを作成、実務担当者対象の研修会でも確認し、認識を共有しているとの説明があった。
同盟から、県の人権意識調査では、部落差別が「ある」との回答が5割もあり、市としてこの結果をふまえ、研修会を実施するだけではなく、研修の成果が比較できるしくみづくりが必要だとし、市として「差別をなくしていく」という姿勢を明確にするべきであると強く指摘し、そのためにも市独自の人権意識調査の実施を求めた。市側は「市民の意見を聞くことは大切。検討する」と回答した。なお、福井市では、市民と協働する協議会などが組織されていないことから、企業や市民とともに人権施策をすすめるような組織づくりを提起。とくに企業内人権啓発推進員が設置されている地元企業に働きかけることを要請した。市は「県とも協力しながら実現に向け検討したい」と回答した。
また、不正取得防止策については、被害告知に関する庁内でのマニュアル作成と周知、市民にたいする不正取得事件などを紹介するなど、啓発活動の強化を要請した。
人権条例の制定についても、「総合計画」には差別の被害救済が含まれないことから、被害者のケア、加害者への説示を含めたとりくみをすすめるためにも、人権条例が必要であることを強く指摘。全国の自治体で人権条例が制定されていることを紹介し、行政の積極的な姿勢が第一であり、行政が主体となって議論をすすめるよう強く要請した。

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