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証拠開示のルール化へ幅広い運動を
10.31狭山集会

基調
書記長 松岡徹

「解放新聞」(2002.11.18-2095)

 東京高裁の寺尾裁判長が無期懲役判決をおこなって二十八年目を迎える。弁護団は実に多くの新証拠を裁判所に提出してきた。小名木証言、元警察官の証言、指紋鑑定士の齋藤保さんは脅迫状には自白では説明のつかない筆記用具の違いや軍手跡などを発見した。寺尾判決の誤りは科学的に明らかである。
 ところが再審請求は二十五年におよぶにもかかわらず寺尾判決以来、二十八年間、一度も、裁判所は鑑定人尋問や現場検証などの事実調べをおこなっていない。今年二月二十三日付の東京高裁・高橋省吾裁判長による異議申立棄却決定も、鑑定人尋問をまったくやらず、「指紋は必ず検出されるとは限らない」と寺尾判決と同じいい方をくり返している。最高裁はただちに棄却決定を取り消し、事実調べを保証し、再審を開始すべきだ。そのことを私たちは全国で、世論、国民に訴えていこう。
 えん罪をなくし、誤った裁判から無実の人を救済するために、刑事手続きの改革、裁判員制度の導入などが必要。なによりも証拠開示の確立がこの司法改革で問われている。今こそ証拠開示の公正・公平なルール化を確立しなければならない。
 特別抗告審の闘いにはいって九か月、いよいよ正念場である。①狭山事件の真相、司法の問題などトータルな学習運動をすすめ、確信をもって石川さんの無実と狭山事件の再審を実現することの意義を広く市民に訴えよう②司法改革の動きに注目し、その中身を監視し、人権擁護とえん罪防止、誤判救済のための民主的な改革にするよう地域で運動をすすめ声をあげていくことが重要。弁護側が検察官手持ちの証拠の開示を受けられるようなルール化を求め、幅広い運動と署名運動を展開しよう。
 住民の会を中心に闘いの輪を地域で広げ、さらに創意工夫を凝らした活動の活性化、ネットワーク化を強めよう。
 石川さんの三十九年にもおよぶ無実の叫びを、国際的にも訴え、全世界から公正・公平な裁判、司法を求める声を巻き起こし、最高裁・特別抗告審闘争に何としても勝利しよう。