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狭山事件の証拠開示ヘヒアリング

「解放新聞」(2003.03.03-2109)

 狭山事件の証拠開示の実状について二月十三日午後、民主党の「刑事事件の証拠開示に関するWT(ワーキングチーム)」が衆議
院議員会館内で、中山武敏・狭山事件再審弁護団事務局長からヒアリングをおこなった。
 このヒアリングには、佐々木秀典座長をはじめ、楢崎欣弥・衆議院議員、千葉景子・参議院議員などが出席した。

狭山弁護団が報告民主党に証拠開示で

 中山事務局長は、昨年十二月二日付けで最高裁に提出した証拠標目を記載した書面の開示勧告申立書の内容を中心に報告。狭山事件では、「殺人現場」のルミノール反応検査報告書など弁護団が個別的に特定した証拠については検察官は「存在しない」として開示せず、検察官みずから「二~三メートル」になると認める多量の未開示証拠の内容も「捜査の支障が生ずる」「プライバシーが侵害される」と明らかにしていないことなどくわしく語り、「証拠開示は、狭山弁護団だけじゃなくて、ほかの弁護団にも共通の課題。いま法曹界も証拠開示への動きがあり、ぜひ立法化をお願いしたい」と訴えた。
 石川さんが取調中に見せられた真犯人の足跡のスライド写真や、「犯行現場」のルミノール反応検査報告書、取調中に石川さんが脅迫状の練習をさせられた多数の用紙など未開示証拠を開示させる重要性や、東京高裁が弁護団の証拠開示の要求を無視したまま棄却決定した不当さ、国連の自由権規約委員会の勧告の経過などもくわしく説明した。
 WT(ワーキングチーム)座長の佐々木秀典・衆議院議員は「裁判はたしかに『急げ』という迅速化がいわれるけれども、では正義だとか真実をないがしろにしていいのかという議論は当然。早く真実を発見するためには証拠隠しはダメなんで『出すべきものは出して、やれ』」と語り、「これからも私たちも国会のほうでがんばります」と決意をのべた。