pagetop
 
 

 

 

 

事実調べと全証拠開示を
10.31狭山事件の再審を求める市民集会
集会アピール
「解放新聞」(2006.11.20-2295)

 今日は32年前、無実の石川一雄さんに無期懲役という有罪判決が出された日です。この有罪判決がいまも石川さんに「見えない手錠」をかけつづけています。
 東京高裁の寺尾裁判長は、警察の筆跡鑑定を根拠に、脅迫状と石川さんの筆跡は同一として有罪判決をおこないました。しかし、その後、多くの専門家が筆跡は異なるという鑑定書を提出しています。また、寺尾判決は、脅迫状に石川さんの指紋がなかったことについて、「指紋がないからといって犯人でないとはいえない」とごまかしました。しかし、警察で指紋検査をおこなってきた元鑑識課虞は脅迫状を書いたという自白はおかしいと鑑定しています。また、3人の元鑑識課員が脅迫状を番いた筆記用具はボールペンと万年筆の2種類であると鑑定し、自白と食い違っていることを明らかにしています。
 狭山事件最大の証拠である脅迫状は石川さんが書いたものではないことが新証拠によって判明しているのです。石川さんを有罪とした確定判決に合理的疑いが生じていることは明白です。さる5月23日、狭山事件再審弁護団と石川一雄さんは東京高裁にたいして第3次再審請求を申し立てました。弁護団は、来年3月末にも、さらに新証拠と補充書を提出し、鑑定人尋問などの事実調べを求めていくことにしています。審理を担当する東京
高裁第4刑事部(大野市太郎裁判長)は、弁護側提出の証拠について事実調べをおこない、一日も早く再審を開始すべきです。
 狭山事件の裁判では、2審判決以来32年もの間、一度も、証人調べや現場検証などの事実調べがおこなわれていません。東京高等検察庁には積み上げると2~3メートルという検察官手持ち証拠があるのに、ずっと証拠開示もおこなわれていません。市民の常識的な感覚からしても、あまりに不公平です。
 石川さんがウソの自白をさせられた警察の留置場=代用監獄はいまも廃止されず、誤認逮捕やえん罪事件はなくなっていません。警察での長期の身柄拘束や人権を軽視した取り調べもいまだになくなっていません。国際的には常識となっている取り調べの録音録画や公正な証拠開示も実現していません。「共謀罪」新設や「憲法」・「教育基本法」改悪などさまざまな反動法案が出されようとしています。このようなときだからこそ、あらゆる差別もえん罪も許さない、司法の民主化、人権確立をめざす市民の運動が必要です。
 今日、私たちは、日本にはこれまで多くの誤判・えん罪があったこと、いまもえん罪と闘い再審にとりくむ人たちがいること、市民と日弁連や法学者が連携し、えん罪を防止するための司法改革をすすめなければならないことを確認しました。もっともっと正義を求める市民の声を司法の場へ伝えていきましょう。
 狭山事件の公正な裁判と人権確立を求める声は全世界に広がっています。
 全国各地で狭山再審を求める100万人署名運動を全力ですすめよう!
 一人ひとりが街角で石川さんの無実を訴えよう!
 私たちは、石川一雄さん、弁護団とともに、狭山事件の再審開始を求めます! 事実調べと証拠開示を求めます! そして、市民の声を裁判所に届け、市民の力で司法を変えていきます。石川さんは無実です。狭山事件の再審を市民のカで実現しよう!
 2006年10月31日
 狭山事件の再審を求める市民集会
 参加者一同