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石川一雄さん
新年のメッセージ
不退転の決意を心に秘め
「解放新聞」(2007.01.15-2302)

 謹んで新春の御喜び申し上げます。例年の事乍ら昨年も一方ならぬお世話になり、誠に有難うございました。私は冤罪が晴れない儘、43回目の越年をしたことに対し、無念の思いは禁じ得ない乍らも、今年こそ再審実現と共に、法廷闘争を通して「無罪」の花を咲かせるんだ、と強い強い不退転の決意を心に秘め、2007年の第一歩を踏み出しましたので、ご休心下さい。43年間を振り返れば様々な出来事に遭遇し、一喜一憂したものでしたが、日々の闘いの中にあって、今日まで前途に希望を持ち、前向きな姿勢で訴え活動に没頭出来たのも、偏に支援者各位の真摯な取組み、ご支援の賜ものと何時も感謝しております。
 特に昨年は第三次再審の申し立てもあって、全国的に高揚し、弁護団は元より、運動面に於ても日夜熾烈な闘いの中で、狭山事件の真相が国民大衆の前に浸透しつつある事は私にとって先行き大いに期待を持てるようになりました。暮の弁護団会議で、組坂委員長、松岡書記長より、狭山事件にかける並々ならぬ決意と新百万人署名も63万筆が集計されている事、来年3月迄には目標を達成できるよう全力を尽くすと述べられました。署名に御協力下さった皆々様に感謝の念で一杯でしたが、その一方で、私としては、あと37万筆で目標に達することから、なんとしても百万筆に達成して頂きたいと心の中の叫びもあったのも事実であります。元より丁度でなく、目標を越えられますよう、更に一人でも多く集めていたゞけますよう心からお願い致します。
 師走には私にとって大きな励みとなる「第18回多田謡子反権力人権賞」を頂きました。私の場合、まだ冤罪が晴れないのみならず、他にも「反権力・人権闘争」を闘い続けている人が沢山おられることから、真逆私が頂けると思ってもみませんでしたので、申し訳ない気持ちでありました。でも、此の賞は、弁護団、支援者の皆さん方が、これまで長い間闘い続けて下さった事に対して頂いた賞であり、「第三次再審闘争勝利までがんばって闘おう」とエールを送って下さった賞として私が代表として頂いたと思っています。そして冤罪が晴れた暁の試金石として、賞に恥じない運動に携わっていかねばと、自分に言い聞かせつつ有難く頂いた次第です。
 ところで、弁護団も新証拠を含め補充書も提出するということですが、皆さんもこ承知の様に、これまで司法権力は狭山裁判に対し、予断と偏見、露骨、強引に棄却攻撃をかけてきているので、司法に幻想を抱かないのは当然の事、私は何時の時でも沈着冷静に行動する所存であり、支援者達と一体の闘いを通して、第三次こそ勝利の血路を切り拓くべく、司法権力の反動的なファッショ化を断固跳ね返す闘いを展開して参る覚悟でおりますので、どうか皆さんも今年も全精力を狭山第三次再審闘争に注ぎ込み、力をお貸し下さいますよう心からお願い申し上げます。右先ずは年頭に当り私の決意と御挨拶に代えます。

二〇〇七年一月一日
     石川一雄
 全国狭山支援者様