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部落問題資料室
NEWS & 主張
舳松人権歴史館リニューアル・オープン
学習・啓発の拠点に
舳松出身 阪田三吉名人の展示も
「解放新聞」(2006.04.17-2265)

 大阪・堺市にある舶松歴史資料館が、4月1日、「舳松人権歴史館」として堺市立人権ふれあいセンター7階に移転リニューアル・オープンした。

部落問題を学ぶ施設として

 「舳松人権歴史館で、何を知っていただくのか―舳松に生きた先人がどんな厳しい生活をしていたの
か、どんな運動をしていたのか。いまの子どもは昔の風景を知らない。歴史館では、それを知ってもらうことができる。部落問題解決に向けた資料を展示することで、学習と啓発の拠点にしたい」と語るのは、堺市市民人権局人権ふれあいセンターの木本隆夫・管理課長(前・舳松歴史資料館館長)。
 「舳松の歴史を学び、人権の未来を考える」。今回のリニューアル・オープンのさいに大いに議論され、つかみとったテーマだ。
 舳松人権歴史館では、「堺の被差別部落の歴史をとおして、部落問題を自分の問題として学び、「差別をなくそう」「自分は差別をしない」と決意していただくための拠点施設」として、歴史資料を研究し、展示・公開する。場内は、阪田三吉記念室と展示室で構成されている。
 阪田三吉記念室は、今回のリニューアルでとくに力を入れたところだ。舳松出身の将棋名人・阪田三吉にスポットを当て、ゆかりの品や記録写真を展示、『さんきい物語』の映像などでわかりやすく解説。阪田三吉の業績を紹介している。なかでも目を奪われたのは、阪田が東京での名人戦のさい、介添え人になってもらった松本治一郎(・元委員長)に、お礼として送ったという将棋盤だ。将棋盤は、孫にあたる松本龍・副委員長が保管していたが、今回のリニューアル・オープンを機に借りることができた。阪田三吉と松本治一郎―ともに被差別部落出身のきょうだいとして、このエピソードは部落解放運動があったからこそ生まれた。その将棋盤が阪田の出身地である舳松で日の目を見ることに、運動の歴史と意義を感じとることができる。
 展示室は、5つのコーナーから構成されている。①くらしコーナーでは、約40年前の部落を、模型をつかって展示。四畳半の狭くて暗い家や「はんらく」とよばれた狭い路地など原寸模型で再現。子どもたちに昔の部落での生活の厳しさ、差別の厳しさ、部落解放運動の成果を知ってほしいという思いをこめた。厳しさのなかでもたくましく生き抜いたムラのくらしを紹介している。
 ②仕事コーナーでは、当時の舳松でのしごとだったくつ直しやと畜業、屑物行商などを紹介。女性は「草履の表づくり」を、男性は靴直しや下駄の歯を変える仕事を担っていたことなど、当時のようすをうかがい知ることができる。
 ③歴史コーナーでは、舳松の歴史や解放運動の歴史をリンクさせた年表や資料を展示。のちに舳松水平社結成の原動力となった、泉野利喜蔵を中心として舳松の青年が結成した組織「一誠会」などを取りあげ、近代以降の舳松での解放運動の歴史を充実させている。
 ④啓発コーナーでは、「部落地名総鑑」を利用した身元調査事件など、いまなお残る部落差別の実態や人権の尊さについて、パネルや情報検索装置を設置し、学習できるように工夫した。
 ⑤特別展示コーナーでは、4月1日から特別展「西光万吉と舳松」をひらき、西光万吉が舳松を舞台として書いた戯曲『浄火』など展示している。
 舳松人権歴史館は、舳松に関する資料を収集していた阪本ニシ子さんを中心に、1988年、舳松歴史資料館としてオープン。現在、「部落解放堺地区舳松歴史文化を守る会(会長・中川高之・堺支部書記長)」が、阪本ニシ子さんの遺志を引き継ぎ、行政や研究者などの多くの協力のもとで18年ぶりにリニューアルした。

◇問い合わせ
TEL.072・245・2536、ファクシミリ.072・245・2535。
http://www.city.sakai.osaka.jp/fureai/henomatsu/index.html
堺市立人権ふれあいセンター7階 堺市堺区協和町2-61
◇利用案内
開館時間午前9時~午後5時15分。入館料・無料。休館日・日曜日と祝日。


 

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