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部落問題資料室
NEWS & 主張

とりくみの検証求める
「過去帳」開示問題で浄土宗と協議会

「解放新聞」(2014.03.03-2657)
 「過去帳」開示問題に関する浄土宗との第1回協議会を2月17日、京都市・京都府部落解放センターでもち、浄土宗としての部落差別の実能認識やこれまでの人権研修のあり方などで意見交換。「過去帳」の開示を禁止していても徹底できていないという事実をふまえ、これまでのとりくみをさらに検証する。また、教学と重ねて伝わっていなかったこともふくめ、これまでのとりくみの欠陥を調査、分析し、克服する議論を浄土宗としておこなうよう求め、浄土宗総体として部落差別撤廃への決意を発信するよう要請した。
  協議会は、昨年7月20日付『京都新聞』夕刊で京都教区内の過去帳と記載内容が、7月30日付の『中日新聞』朝刊に尾張教区内の過去帳が写真掲載され、8月27日付『西日本新聞』に福岡教区内の過去帳と添え書きの写真があいついで掲載された問題で、浄土宗の豊岡鐸尓・宗務総長名の10月4日付見解文「浄土宗の今後の取り組みと課題-相次ぐ「過去帳」の新聞掲載について」をうけてもったもの。
  部落解放同盟から吉田副委員長、松岡書記長、西島財務委員長、安田中執をはじめ、愛知県連、京都府連、福岡県連など8人が出席、浄土宗からは淺野義光・総長公室長、山本正廣・教学局長、山北光彦・人権同和室長など5人が出席した。

「過去帳」開示問題は宗派の意識の反映と

浄土宗全体として事件学ぶ研修会を

 冒頭、松岡書記長は、これを機に部落問題解決への役割をはたしてほしいと要請。山北室長も全力あげとりくむ決意を示した。
  浄土宗の見解文では、宗内での人権・同和問題にたいする啓発がすべての僧侶に周知徹底していなかったことが露見し、あらためて研修内容を再検討する必要があると、浄土宗全体の問題として反省し、「この事象に学ぶ研修会、講習会を全国各地で開催し……部落差別の解消に向けて、自己の意識を養うための取り組み」をおこなうこと。また、「法然上人の万民平等救済のお念仏のみ心を通して、部落差別を解消するために取り組み、「浄土宗21世紀人権アピール」の主旨を今後も継続し、推進する」ことを表明している。
  さらに今後の啓発活動として、「宗内における事例共有」「浄土宗全体での研修会開催の推進」「事象当事者に対する啓発」「「過去帳閲覧禁止・身元調査おことわり」啓発プレート配布」をあげている。
  同盟からは、実務的なとりくみだけでなく、教学と一体化する必要があることを指摘し、浄土宗からは、法然上人の万民平等救済の教えにもとづき、重くうけとめ、より徹底したい、との姿勢が示された。
  また同盟は、「過去帳」開示問題は、末寺の問題でなく宗派の意識の反映であることを指摘。浄土宗も住職だけでなく教団の問題であり、前へすすめたい、と回答した。
  さらに同盟からは、部落差別の実態を把握し、部落差別の現実を重ねあわせながら研修を。末寺の実態の掌握を。今回の結果、「お寺に行けば過去帳が見られる」との認識が広がっており、部落差別に使われてはならないことを教団として発信し、部落問題を解決する役割をはたす積極的な姿勢を示すよう要請した。


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