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部落問題資料室
NEWS & 主張

差別許さない、削除措置へ
ヤフー知恵袋差別記載事件で

「解放新聞」(2014.12.01-2693)
 【東京支局】都連と品川支部は、6月からヤフー知恵袋差別記載事件をとりくみ、ヤフーは10月に差別書きこみを削除した。削除にいたる一連のとりくみを報告し、今後の課題を明らかにする。
  都連と品川支部は、まず6月下旬に東京法務局と東京都人権部に「ヤフー株式会社(以下、ヤフー)に早急に削除要請をおこなうよう」に求めた。そして7月15日付けでヤフーに「削除要請」をおこなった。その内容は①屠畜解体の職業にたいするいちじるしい差別偏見と被差別部落出身者にたいするきわめて侮辱的かつ差別的な表現である②「そういった被害に遭われたケースがあり」などとデマを記載し、差別を助長するものであると指摘し、差別記載を即刻に削除をすることを求めた。
  この要請にヤフーから7月22日付けで「……社内で慎重に検討致しましたが、現在のところ削除等の措置が相当との判断にはいたっておりません」との書面が届いた。
  都連と品川支部は、ヤフーに9月12日付けで「再度の削除要請と質問」の要請文を送った。内容は①ヤフーの利用規約には「国・地域の法令に違反する行為を禁止いたします」と明記されており、本件差別記載は憲法第14条の法の下の平等に反する行為である②「人権教育及び人権啓発の推進に関する法律」に違反する行為である、の2点を指摘し回答を求めた。
  つぎに都連は9月30日の東京法務局交渉で本件を取りあげ、削除要請をせまった。東京法務局は「全国的な問題でありかつ表現の自由とのかねあいがあるので慎重に検討中」とのべた。都連は検討期問が長すぎる、削除の判断を早急におこなうよう再度せまった。
  東京法務局は、「10月中にこの件でもう一度機会をもつ」と約束した。10月1日付けでヤフーから「……改めて社内にて慎重に検討した結果、削除措置を講じております」との回答が書面で届いた。
   
  今回のとりくみは、削除とともに再発防止のとりくみが必要であり、課題は①東京法務局交渉で「本件のような差別記載は削除の対象」と明言させること②ブログ利用規約で禁止事項として「他の会員又は第三者を差別又は差別を助長する行為」を明記するなどプロバイダーなど関係業界が差別記載の削除用件のガイドラインを作ることを求めていくこと③国に法的措置もふくめて実効性のある対策を求めていかなければならない、と都連は今後の課題を提起した。

ヤフー知恵袋差別記載事件の概要
  6月に品川支部からヤフー知恵袋差別記載事件の問題提起があった。
  内容は、ヤフー知恵袋の質問に「肉屋で「それ四つ下さい」などといいながら指で四を示したら、裏方に連行され暴行・殺害されるというのは本当でしょうか?」とあり、この質問にベストアンサーに選ばれた回答として「……昔、被差別部落の人たちは犬狩りや屠殺など四本足の動物を殺す不浄な商売をしていました。そのため「四つ」とは暗に被差別部落の人たちを椰旅する言葉になっていたそうです……その肉屋さんがこれに当てはまり、その発言をして侮辱ととられ、そういった被害に遭われたケースがあり、うわさに変わったのではないでしょうか」というもの。


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